Hubble NEWS 7月2日


  古代の星の群れを示すハッブルの画像。

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 この星の群れは、M80(NGC 6093)として知られている銀河系星雲の中の球状星団の1つです。

 地球から28,000の光年の距離にあるM80は、何十万もの星を含んでいて、それらは相互の重力によって一緒になって保たれています。

球状星団は特に星の進化の研究に役立ちます。なぜならこの星団の中の全ての星が同じ年齢(およそ150億年)で恒星質量の1つの範囲内に当てはまっているからです。

この画像の中で見えている個々の星は、我々の太陽よりも非常に進化しているか、2、3の珍しいケースではもっと巨大かのどちらかです。

   特にはっきり見えるのは、その寿命が終りに近づいている太陽と同様な質量の赤色巨星です。

   紫外線フィルターを通して撮られた画像を第2ワイドフィールド・プラネタリーカメラ(WFPC2)で解析することによって天文学者達は、この星団の中で「青色はぐれ星」の大集団を見つけました。

 これらの星々は、この球状星団の他の星よりも異常に若くてかつ巨大です。

   星の衝突はM80の中心のような濃密度の領域ではでは起こり得ますが、場合によっては、その衝突が2つの星の吸収合併を起こします。

この事が、通常の若い星をまねた異常に巨大な単独星を生み出します。

   M80は、これまで青色はぐれ星を含むとは知られていませんでしたが、NASAのハッブル宇宙望遠鏡(HST)で調査された他の球状星団の2倍以上の数を含む事がわかりました。

 青色はぐれ星の数に基づくと、M80の中心での星の衝突の割合は非常に高いように思えます。

 M80はまた、それが1860年の新星爆発の位置にあることも珍しいことです。

 新星爆発は、近くの伴星が燃え尽きた白わい星に新しい水素燃料を送り込んだ時に起こります。

ついには、この水素が白わい星の表面で発火して熱核爆発をお起こし 新星爆発となります。

 紫外線によるハッブルの観測が、19世紀にシャウラ星と名付けられた星の爆発の高温で淡い遺物を見つけました。

 しかしながら奇妙な事にWFPC2の観測は、M80の中の連星に近いところで2つの新星のようなものを見つけただけでした。それは、星の衝突割合に基づく理論値よりも遙かに少ないものです。

 それで、M80にある青色はぐれ星は、そこでは衝突は多いけれども、新星のような星は少しだけしかないことを示しているように思えます。


 
http://oposite.stsci.edu/pubinfo/pr/1999/26/                     


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