それはまるでSF映画のようです。
NASAは、宇宙で最も珍しい物資で、もしかすると反宇宙が存在する証拠なのかもしれない貴重な粒子を収集するために60回建ての高さの気球を地球の高層大気圏へ上げました。 それはSFではなく最先端の科学です。 日本製の観測機器を積んだ3900万立方フィートの容積を持つNASA最大の気球は、カナダのマニトバのリン湖から8月11日午前9時22分EDTに地球から高度20マイルを38時間飛行する為に上げられました。 重量5,000ポンドのこの観測機器は、8月12日に回収され来年の別の飛行の為に準備されます。 東京大学のオリト・シュウジ教授に率いられるBESS(Balloon-borne Experiment with a Superconducting Solenoidal magnet超伝導ソレノイド磁石による気球搭載実験)プロジェクトは、アメリカのNASAと日本の文部省がスポンサーになっています。 反粒子は、通常の同じ物資が正確に反対の電荷を帯びた珍しい物資の 形成です。 例えば、陽子は正電荷を持ち電子は陰電荷を持ちますが、反対に反陽子は陰電荷を持ち反電子は正電荷を持っています。 科学者達は、宇宙の構造やエネルギーのプロセスを理解するために この反物質を研究しています。 「我々は、我々の検出器を通りぬけた1億個の宇宙線粒子の中に数百個の反陽子を見つけ、素晴らしいデータを収集しました。」と、日本やアメリカから来た研究者達と一緒にリン湖から気球を打ち上げたオリト博士が述べました。 多くの理論家は、宇宙全体は通常の物資だけからできていると考えていますが、幾人かは反物質宇宙が存在すると推測しています。 しかし、このような宇宙が存在する証拠は見つかっていません。 以前の気球飛行もおびただしい数の反陽子を見つけましたが、それらは通常粒子が星間空間で衝突してできたものでした。 もしBESSが、反ヘリウム分子のようなもっと精巧な反物質の形成物を見つければ、それは反宇宙が存在する証拠を提供することになります。 反陽子と違って、反ヘリウムは事実上衝突によってつくられるのは不可能で、何処か他の源からやって来たことになります。 「反ヘリウムが発見されれば、それは衝撃的な事です。」と、オリト博士が述べました。 「反宇宙が存在するという有無を言わさぬ理由はありませんが、これが我々がそのような珍しい物体を探す理由です。」 我々が993年から1998年までの5回の飛行で得たデータでは、300万のヘリウム核を見つけましたが、実際には反ヘリウムは見つけていません。 この事は、銀河や宇宙の近傍部は反物資ではなく通常物資だけでできているという直接的な証拠を提供しています。 「もし反ヘリウムが検出されれば、宇宙論の教科書は書き直されることになうでしょう。」と、NASAのゴダード宇宙飛行センターの高エネルギー天体物理学研究所のジョナサン・オームズ博士が述べました。 「宇宙の大きな範囲か領域が反物質でできているという考えが長年議論されてきました。」と、オームズ博士が述べています。 「我々は毎年、非常に膨大なデータをチェックしながら、反対の世界からの初めての大使を迎えるのではないかと期待してわくわくします。」 「BESSは、科学観測で気球を使う事の優位性を実証しています。」 「宇宙の反陽子が初めて明確に検出された1993年の初めての飛行から、観測機器の能力は劇的に改良されてきました。」と、W.ヴァーノン・ジョーンズ博士は言っています。 BESSチームは飛行のたびに次の飛行に備えて観測機器を改良してきました。その結果検出の数は着実に増加しています。 その能力は、このタイプの研究で衛星を使うよりも低コストな気球飛行を使う有利性に結びついています。 BESSは、東京大学高エネルギー加速器研究協会、神戸大学、東京の 宇宙と宇宙飛行科学研究所、メリーランド州グリーンベルトのNASAゴダード宇宙飛行センター、メリーランド大学の共同で構成されています。 BESSの磁石と検出器は、日本で設計製造されました。 NASAは、気球飛行を提供しました。 反陽子以外にもBESSは、プロトン、ヘリウム、ライト同位元素のような宇宙線の正確なエネルギー・スペクトルを測定し、宇宙線物理学のための重要な基礎データを提供しています。 メリーランド大学のEun-Suk Seo博士が、この作業を指導しています。 ftp://ftp.hq.nasa.gov/pub/pao/pressrel/1999/99-093.txt |