NASA HUBBLE NEWS October 26, 1999

ハッブル望遠鏡が古い銀河内の紫外線源を確認。




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ハッブル宇宙望遠鏡の素晴らしい解像度が、天文学者達に初めて楕円銀河内部深くにある高温青色星を確認させました。

8000個近いの青色星の群れは、アンドロメダ座の中で250万光年離れた場所に位置する隣の銀河M32の中心(右下)近くでブリザードの雪片のように見えています。

ハッブルは、生涯の終わりかけの段階でヘリウムを燃やして非常に高温 になっている恒星の集団から紫外線が放射されていることを確認しました。

水素を燃焼させヘリウムへ変えている太陽と違って、これらの古い恒星はそれらの中心の水素をとっくに使い果たしてしまい現在はヘリウムを燃やしてもっと重い元素に変えています。

1998年10月のこの観測は、紫外線を観測する宇宙望遠鏡イメージング・スペクトログラフ(STIS)のカメラ・モードでなされました。

STISの観測視野は、その20倍にも広がる銀河全体のほんの小さな部分だけです。参考のために言えば、満月はSTISの観測視野の70倍の大きさです。

銀河の明るい中心はこの写真の右側に位置しているので、写真左側で淡い星々が見やすくなっています。これらの観測結果は、天体物理学ジャーナル2000年3月1日号で発表される予定です。

30年前に楕円銀河を初めて紫外線で観測した時、それらが驚くほど明るく見えることが分かりました。この先駆的な紫外線での観測以前には、古い恒星の集団は比較的冷温で紫外線で見ても非常に淡いものだと思われていました。

この予想外の紫外線光が最初に発見されてからずっと何年にもわたって、紫外線は古くて高温でヘリウムを燃焼させている恒星から生じているという証拠が集められてきました。そして今ハッブルは、初めての直接的な視覚による証拠を提供しています。

楕円銀河は、古い恒星で構成される比較的シンプルな銀河だと思われています。それらは宇宙の中で最も明るい物体の中にあるので、そのシンプルさが恒星や銀河の進化をたどるのを便利にしています。


上で紹介した写真は各種フォーマットでここで入手できます。


         
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