このハッブル遺産画像に写っている左側のより巨大な銀河はNGC2207と、右側に写っている少し小さな銀河はIC2163とカタログ化されていてるものです。
NGC2207からの強い潮せき力がIC2163の形をゆがめて星やガスを吹き飛ばし、10万光年にも伸びる長いストリーマーを作って画像の右側縁の方へなびかせています。 ブルースとデブラElmegreenによって率いられているチームによって実施されたコンピューター・シュミレーションは、ゆっくりとしたタイムスケールでこの銀河が衝突することを立証しました。 このハッブルの画像以外にも、ニューメキシコにある全米科学財団の大規模配列電波望遠鏡を使ってなされた観測が、この銀河の動きを解き明かして衝突の再現を助けました。 計算では、4000万年前に最接近をなしたIC2163が反時計方向に向きを変えながらNGC2207を通りぬけた事を示しています。しかしIC2163はNGC2207の重力から逃れるだけ十分なエネルギーを持っておらず、将来には引き戻されて再び大きい方の銀河を通りぬける運命にあります。 このハッブル望遠鏡の高解像度画像は、NGC2207の渦状腕の中の塵の筋を後ろにあるIC2163を背景にしてくっきりと浮かび上がらせています。 ハッブルはまた、潮せき力で右側に引っ張られる物資に沿ってできた細かい刷毛でなぞったように見える塵の平行線条も明らかにしています。 近い将来、両銀河の濃密度なガスや塵は星を形成する活動領域に噴出することになるでしょう。 お互いの軌道の中に囚われられたこれらの2つの銀河は、お互いを歪ませ崩壊させるのを続けていきます。今から何億年後かについには、それらは一の巨大な銀河に融合します。 ミルキーウェイなど現在存在する多くの銀河は、もっと小さな銀河が何十億年もかけて合体する同様なプロセスでできたと思われています。 上で紹介したハッブルの写真はここで入手できます。 |