これは、木星の火山性の月イオの活火山プロメテウスの一部を撮った高解像度写真です。この写真は、NASAのガリレオ探査機によって1999年10月10日のイオとのフライバイの際に撮られたものです。
それには火山噴火の地面崩潰によって形成された大陥没した火山性カルデラが写っています。地球ではこのようなカルデラはハワイで見ることができます。 この写真にはまた、黒っぽい溶岩流や硫黄の豊富な雪で覆われた奇妙にでこぼこした地表も写っています。 初期の低解像度画像では、プロメテウスの全ての黒っぽい物資は1本の長い溶岩流でできていると思われていました。 新しい写真では、この黒っぽい地形の北東の端が実際には溶岩で満たされた長さ28キロメートル(17マイル)幅14キロメートル(9マイル)のカルデラであることがわかりました。 プロメテウス溶岩の源は、おそらくこの新しく見つかったカルデラの下にあると思われます。 新しく見つかったカルデラの西側の縁から溢れている溶岩流は、明らかにある時点においてカルデラが全体が溶岩で満たされていたということを示しています。 カルデラの南方にある溶岩が元々カルデラ内で噴出したものなのか、或いは南側の火口から噴出してカルデラへ流れ込んだものなのかどうかは明らかでありません。 ガリレオの科学者達は、プロメテウス・カルデラの東方に見られる氷丘を含んだ雪原に興味をそそられています。彼らは現在それらの形成過程に関する多くの選択モデルを考えています。 1つの考え方は、氷丘もしくは砂州はイオの火山噴火の超音速に達する爆風が地上に前から存在した塊の片側に物資を塗りつけてできたということです。 この高解像度モノクロ写真は、可視波長に近い赤外スペクトルのみを通すフィルターを使って撮られました。 赤外写真における物質の「色」は、惑星表面の化学成分を知る上で重要なツールです。 写真の上が北で、太陽光は探査機のほとんど背後から照らしています。解像度は、1ピクセル当たり120メーター(400フィート)です。この解像度は以前に同じ領域を撮った画像の10倍以上にもなります。 この写真は横96キロメートル(60マイル)縦29キロメートル(18マイル)の区画をカバーしています。この写真は、ガリレオに搭載されたカメラによってイオから12,000キロメートル(7,500マイル)の距離から撮られました。 上で紹介したガリレオの写真は各種フォーマットでここで入手できます。 |