1999年11月11日、地球は新しく発見されたLINEAR C/1999J3彗星の軌道に接近します。その結果、新しい流星雨(リニア流星群)が出現する可能性があります。
地球は、新しく発見された彗星の軌道との接近遭遇に向かっています。 5月12日にリンカーン地球近傍小惑星リサーチ・チーム(LINEAR)によって発見されたLINEAR (C/1999 J3)彗星は、9月に太陽に最接近した時は9等級まで明るくなりました。 1999年11月11日に19時41分UT(11月12日午前4時41分日本時間)に、地球はこの彗星の軌道からわずか0.0115天文単位の距離の点に到着します。それはその彗星がその領域にいた時から40日後に当たります。 もしこの彗星の軌道に余った塵の破片が残っていれば、我々は思いがけなく「リニア流星群」として初めて出現する流星雨に遭遇するかもしれません。 国際流星協会(IMO)は、流星観測者に11月11日を中心に48時間期間の観測を呼びかける文書を発行しています。 もしリニア流星群が望み通りに現れるならば、それは北斗七星の椀から発するように見えます。この流星雨の輻射点は、赤経11h40m赤緯+53度の近くにあります。 LINEAR C/1999J3彗星は長周期彗星です。最新の軌道要素から、この彗星は63,000年に1度太陽系に回帰することがわかりました。 毎年現れることでよく知られているペルセウス群やしし群のような流星群は非常に短周期の彗星によって作られています。 短周期彗星が太陽そばを何度も通過することで塵の雲をたい積させ、地球がその軌道近くを通過する時に流星が活発に出現します。 しし座流星群の母彗星であるテンペル・タットル彗星の周期はわずか33年です。 LINEAR彗星はこのように長い周期で回っているので、太陽の傍で放出された塵は次の回帰の時までにはおそらく拡散してしまっています。 これが本当ならば、11月11日は特に印象的な流星雨が現れるという通告ではないかもしれません。それにもかかわらず、天文学者達は見る価値があると言っています。 リニア流星群の観測方法 専門家もリニア流星群を観測する最適な時間を確認していません。何故ならこの母彗星周囲の塵の分布についてはほとんど分かってないからです。 地球はこの彗星の軌道に11月11日19時41分世界時つまり東部標準時では午後2時41分、日本時間では11月12日午前4時41分に最接近します。 もしその時刻が流星雨のピークならば、観測はアジアが適しています。その時間は北アメリカでは白日です。 この新しい彗星についてはほとんど分かっていないのですから、11日19時41分世界時という軌道交差時刻にあまりに多くの信頼を置くのは賢明でないでしょう。 筆者は、11月10日11日12日のローカル・ミッドナイトと夜明けの間に空を観測することをお勧めします。(ローカル・ミッドナイトとはあなたが居る所の夜中という意味です) 流星雨を観測する最適な時間はたいてい夜明け少し前です。その時間は、地球が彗星の塵の流れに最もまっすぐに向かって進んでいる時なのです。 上図: 流星の出現割合は通常夜明け近くに最大となります。何故なら地球の軌道運動の方向が昼夜境界線の方向に向いているからです。地球は夜明側では流星体に向かって進みますが、、日没側ではそれらを追い越しています。 輻射点 http://science.nasa.gov/newhome/headlines/ast05nov99_1.htm |