NASA NEWS 11月25日


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ディープスペース1のイオン推進力システムが立ち上りました



 NASAのディープスペース1探査機のイオン推進力システムが、11月24日火曜日生き返り、スムースに作動を続けています。

 エンジンは、 探査機に送られた命令に反応して午後5時53分ESTに立ち上がりました 。

 一晩、低推進モードで走らせた後、エンジニア達は水曜日に高推進モード切り替える命令をエンジンに送りました。

 ミッション・チームは、週末の感謝祭までの4日間エンジンを作動し続ける予定です。

 チームは当初11月10日にエンジンをパワーアップする予定でしたが、システム自体が4分半作動した後に停止してしまいました。  管制官達が、火曜日システム状態のデータを更に収集する為ににエンジンをONにする命令を送った時、エンジンは思いもかけず作動を続けました。

 「我々は、エンジンが立ち上がって推進を続けていることを非常に喜んでいます。最初の一両日は非常にスムースに作動を続けています。」とディープスペース1の主ミッション・エンジニアでNASAのジェット推進力研究所のミッション・マネージャー代理のマークRayman博士は語りました。

 エンジニア達は、エンジンは多分2週間前、金属的なトラブルか新型エンジンの後部にある2つの高電圧格子の間に入った汚染物の為にに遮断したのだろうと思っています。

 衛星が他の技術認証実験を施している時に温度が変化して薄片に影響を及ぼして、パワー上昇中の推進機が気化したままになったようなのです。

 「最初に数時間のうちにエンジンが停止する事は、地上や地球の軌道にある新しいイオン・エンジンに共通しています。もしエンジンがこれからの数日間或いは数週間のうちに再び停止しても我々は驚かないでしょう。ディープスペース1の特別認可は、新しい先進技術の試験をすることなのです。もし最初から全てが完全にいくのならば、それは技術の選択に於いて積極性がなかったということなのです。我々が知った動作の原因を突き止めることは、これからの宇宙サイエンス・ミッションを可能にするディープスペース1の目的の非常に意味のある部分です。」とRayman は語りました。

 ディープスペース1のイオン・エンジンで使われる燃料は、無色無臭無味で空気の4倍半以上の重さがあるキセノンガスです。

 イオン・エンジンが作動すると、電子がハローバーと呼ばれる陰極から磁石で囲まれたチャンバーに放出されます。それはTV受像管やコンピューター・モニターの陰極管に非常に似ています。

 電子がキセノン原子にぶつかり、原子核を軌道を回っている54個の電子のうちの1つをはじきとばします。1つの電子が不足した原子は、イオンとして知られている正の電気を帯びた原子になります。    

チャンバーの後ろには、それぞれ正と負の最高1,280ボルトの電位をもつ一対の金属格子があります。

 この電荷の力が、キセノン・イオンを引き寄せる強力な「静電気」を生み出します。ちょうど、乾燥した日に羊毛の表面でこすられ静電気を帯びたポケットくしが糸くず引きつけるのと似ています。

 しかしイオン・エンジンのチャンバーの中の静電力は、これよりはるかに強力で、キセノン・イオンを時速60,000マイル(時速100,000キロメートル)以上でエンジン真後ろの宇宙へ放出続けます。

 フルスロットルでは、イオン・エンジンはおよそ2,500ワットの電力を消費して、1/50ポンド(90millinewtons)の推進力を出します。これは、手のひらで1枚の紙を受け止める力に匹敵します。  

火曜日にエンジンがスタートした時は、500ワットのパワーレベルで一晩中作動した。

 今朝エンジニア達は、885ワットのレベルそれから1,300ワットのレベルで推進するように命令を送りました。エンジニア達は、ここ数日は低レベルのエンジン・スラストで作動させるように決定するかもしれません。

 イオン推進飛行のハードウェアは、ディープ・スペース1のために、以下の会社で製造されました。

ヒューズ電子力学ディビジョン社  カリフルニア州トーレンス
スペクトルアストロ社 アリゾナ州ギルバート
ムーグ社 ニューヨーク州イースト・オーロラ
フィジカルサイエンス社 マサチューセッツ州Andover

 イオン推進システムの開発は、NASAの宇宙科学オフィスと航空術オフィス、ワシントンDCの宇宙輸送技術で支えられています。

 ジェット推進研究所は、NASAのためにカリフォルニア工科大学によって運営されています。     


ftp://ftp.hq.nasa.gov/pub/pao/pressrel/1998/98-215.txt


today@nasa.gov



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