火星の色が火星の水の手がかりを与えます。
----------------------------------------------------------------- 可視光線と赤外線で撮ったNASAハッブル宇宙望遠鏡の火星の写真は、豊富な地質の歴史を詳細に描写し、惑星の地表上の鉱物を含んだ水の存在の証拠を更に与えています。 左の写真 この「実際の色」の火星の写真は、人間の目で見えるように惑星を表しています。それは初期のハッブルの画像など他の天文写真で通常描写されるよりもずっと地球の様なはっきりした色調をしています。 円の縁に沿ったわずか青い陰は、火星の空の早朝か夕方遅くに見られる、大気中の霧とか絹雲のような細い氷の雲によるものです。 北極冠の黄色がかったピンク色は、塵粒子を含んだ細かい鉄の存在を示しています。これらの粒子は、極冠を作っている青白い氷や炭酸ガスの氷の上を覆っていたり大気中に浮遊しています。 正確な色は、火星の組成や存在する鉱物を知るのに必要です。 これにより、氷や地表下の水の分布とその量と共に、現在見つかっている火星の岩や鉱物に水がどのように影響したかを説明することができます。 熱や水の作用によってある程度酸化して錆びた鉱物の存在を確認した事は、おそらくもっと地球によく似た環境が火星の過去の時代にあった様々な可能性を暗示しています。 この画像の中で見える最も小さい地形はわずか14マイル(22 km)なので、ハッブルは全体的な傾向に従わない鉱物の分布の偏りを小さなスケールで探知する事ができます。 この画像は、1997年3月に第2広視野惑星カメラで波長410と502と673ナノメートルで撮った3枚の画像から作られています。 右の写真 この赤外光線で撮った実際とは違う色の画像は、可視光線では見ることのできない地形も示しています。 ハッブル独特の赤外線ビューワーは、惑星上の鉱物を含む未知の水の分布やその量の偏りを正確に示しています。 火星の表面に鉱物を含んだ少量の水が存在する事は数十年間知られていましたが、この画像の赤らんだ地域には、まだ未確認の高濃度の堆積物がある事を示しています。 それらは、おそらく火星のこの一部の豊富な水の歴史に関係があるはずです。 特に、Mare Acidalium として知られている赤らんだ広い地域は、火星の歴史の初期に巨大な氾濫があった場所です。 NASAのパスファインダー探査機は、1997年にこの地域の南の縁に着陸しました。 この合成画像は、1997年7月にハッブルの近赤外線カメラとマルチオブジェクト分光計で撮られました。 赤色は1450ナノメートル近くの波長を検知する吸収帯域の強さに応じて示されます。緑は近赤外線付近での地表の輝きに応じて表示されます。そして青はバイキング軌道衛星のデータで決定された地形的な標高に応じて表示されています。 http://oposite.stsci.edu/pubinfo/pr/1999/07/ |