着陸地は大洪水の跡、生命探しに期待。
NASAのジェット推進研究所は6日、探査機マーズパスファインダーが着陸に成した火星のアレス谷に大洪水があったことを示す複数の証拠を見つけた、と発表しました。 着陸機の映像を21年前の、アメリカの探査機バイキングのものと比べて、複数の洪水が山の斜面を削り土砂を押し流した跡や丸まった石があることを確認したということです。 「豊富な水の存在は生命をはぐくむ貴重な環境だ」として、探査車が探してくる成果に期待を膨らませています。ジェット推進研究所によりますと、着陸地からおよそ2キロ離れた連山のうち左側の山に、土砂崩れでできたとみられるスキー場のような白い部分があり、もう一方の山にも、水平に筋がついているのが確認されました。 いずれも20億年から30億年前に、火山活動など急激な環境変化で氷が溶け出し、 大きな洪水が起きて山の斜面を削ったため、とみています。 また、アレス谷に散らばっている岩石はほとんどが角張っていますが、着陸地の近くでは角が取れた丸みのある石も数個見つかり、研究者は「同じ洪水の影響を受けた証拠だ」とも言っています。 豊富な水が存在した証拠が出てきたことで、生命の痕跡探しにも弾みがつきそうです。 |