今週は、水曜日の朝フロリダのケープカナベラル空軍基地で起こった事故の為のけたたましい目覚まし電話の話から始めましょう。 アメリカ国防総省のスパイ衛星を搭載した巨大なタイタン4型ロケットが打ち上げ後1分もしないうちに爆発したのです。この爆発は打ち上げ台の周囲20マイル以上離れた所からも見えました。そして爆風は打ち上げ台からおよそ10マイル離れたココア・ビーチの車の警報も作動させました。 タイタン4型ロケットは、アメリカのロケットの中では最大の無人打ち上げ用ロケットです。それは一万ポンドの荷物を静止軌道あるいは対地球同期軌道へ運ぶ事ができます。このロケットは衛星をセントールの上層段に取り付けていましたが、それは、衛星が非常に重いか、地上の独立国や特定の地域で諜報活動ができる軌道へ投入を試みていた事を意味しているのです。 国防総省は何が起こったのかを知る為に事故調査委員会を発足させました。打ち上げセンターの記者団にとっては恐怖の数分間だったでしょう。彼らには、破片が海の方から見学スタンドの方へ吹き返される事態に備えて、ロケットが爆発すると直ちに避難命令が出されました。 幸いな事に負傷した人はいませんでしたが、10億ドルの衛星と2億ドルのロケットが失われました。 ミールのラストコール ロシア宇宙局はミール宇宙ステーションへ別の乗組員を出発させています。木曜日の打ち上げが最終乗組員になるだろう宇宙飛行士をロシアのステーションへ運びます。これまでのミールのミッションと違って、宇宙局はクレジットを使って今回のミッションを行わなければなりません。ロシア宇宙局は打ち上げ会社エナージアに1億2千万ドル以上の負債があるのです。 ミール船上でアメリカ人を迎えた最後のロシア人宇宙飛行士であるタルガート・ムサブヤフとニック・ブダーリンはおよそ2週間したら地球へ帰還します。新しい飛行士のゲナディー・パダルカとセルゲイ・アフデイフはエリチン大統領の前補佐官のユーリー・バツーリンが操縦するソユーズロケットで合流します。私は、昨年スター・シティー飛行士訓練所へ赴いた時にバツーリンと会いました。彼は今回の飛行の事で非常に興奮していました。モスクワからの情報筋はCNNへ、変更がなければ今回がミールへ向かう最後の乗組員になると伝えています。 ロシアの資金問題は、NASAの上層部達に、ロシアは新しい国際宇宙ステーションで供給するように取引きしている彼らの責任範囲を履行する事はできないだろうと思わせていました。ロシアは、ステーションの建設期間内で供給と打ち上げの為にステーションへの40回の飛行を承諾しています。しかし継続するロシアの資金問題は、彼らの責任範囲の履行をできなくするかもしれません。 NASAのダニエル・ゴールディン長官は、ロシアがステーションを軌道上に維持する為に、プログレス貨物宇宙船や他のロケットを十分に建造しない事実によって起こる更なる遅れは、シャトルが補わなければならないだろうと語っています。彼は、NASAは、軌道上のステーションへ繰り返し飛行できる、おそらくシャトルを基本にした、全く新しいロケットを提案すると示唆しています。 火星からの景色 今週マーズ・グローバル・サーベイヤー探査機は更に画像を送ってきました。それらの画像には、火星の表面を移動している巨大なバリス・マリナリス渓谷をのぞき込む景色も含まれていました。グローバル・サーベイヤーはこの渓谷を深い所までのぞき込む事ができ、その両側に火星の塵が降っている画像を送ってきました。このカメラが上の方へ戻ってくると、月のクレーターの様な物に見える火星表面のクレーターも見る事ができます。 マネージャー達は、巨大なパラボラアンテナが壊れるのを心配して、サーベイヤーの高利得アンテナを最終送信ポジションまで広げることを延期する事を決定しました。彼らは、探査機上の油圧系統の潜在的な問題を調べ間、カメラや他の探査機器を、少なくともあと数ヶ月は閉めたままにしておくつもりです。 |