潜在的に危険性があったスペースシャトル・コロンビア号の右メインエンジンから水素ガスが漏れた問題を調べているエンジニア達は、現在何がこの問題を引き起こしたのかが判明して、9月に予定されている次のシャトルの打ち上げが中止される事はないと自信をもっています。
いくつかの信頼できる情報筋がCNNにに伝えた所によると、エンジン燃焼室へ液化酸素を供給する管へ打ち込まれていたピンが抜け落ちて、エンジンがスタートした瞬間にベル型ノズルを取り囲む3つの1,080本のステンレススチール製冷却管にぶつかったということです。 このピンが冷却管にぶつかったとき、それを痛めてついには破断を引き起こしました。 この穴から水素が漏れた事が、右メインエンジンを100度の高温で作動させ、より多くの推進剤を消費させました。 その結果、コロンビア号のメイン・エンジンは1秒早くシャットダウンして宇宙船を予定軌道よりも7マイル足りない高度に置きました。 しかしそれは、5日間のミッションには影響しませんでした。 この漏れがもっと大きければ、エンジンはいわゆる「レッドラインポイント」にまで熱せられて、自動的に停止していたでしょう。 それは、アイリーン・コリンズ船長と彼女の乗組員達に、これまでに行なわれた事のないアフリカかケネディ宇宙センターへ緊急帰還する危険な飛行中止操作を強いっていたかもしれません。 酸素と水素を燃焼室に送る何百本もの管がありますが、そこで推進剤は水素と混合されて燃焼します。 これらの管は毎回飛行ごとに検査を受け、弱った部分や疑わしい部分が見つかると単純に8インチの金メッキのピンでふさがれます。 管は非常にたくさんあるので、そのことがエンジンの能力に影響を与えることはありません。 エンジニア達が、このピンがなくなっていて冷却管に空いた穴近くに金メッキの痕跡を見つけた事が彼らの結論を導きました。 何故このピンが緩んで抜け落ちたかは不明です。 9月16日に次の打ち上げが予定されているエンデヴァー号は、このようなピンを持っていないので、このトラブルが再発する心配はありません。 まだ未解決の事は、打ち上げ5秒後に起こった電気回路のショートです。それは、2つのエンジンの能力をあらゆる面から制御するエンジン・コンピューターをダウンさせてしまいました。 しかし各エンジンは、バックアップのコンピューターを持っているのでそれらが引き続いて動作しました。 地上整備員は、何がこのショートの原因となったのかを調べるために金曜日にエンジン制御回路のトラブルシューティングを開始しました。 飛行中に右エンジンから漏れる水素 右エンジン・ベル型ノズル内部の傷 ベル型ノズル内部の傷のクローズアップ 抜け落ちた金メッキ・ピンの同型品 |