来週カウントダウンがゼロに達したとき、歴史的な41番ロケット発射施設の発射台は粉々に吹き飛びます。それは近代化計画の一環で意図的に行なわれるものです。
この作業で使う「blastoff(爆破)」という言葉は、とりわけ空軍の安全担当管にとっては動揺する感じを与えるでしょう。ロケット科学者達は「liftoff(発射)」という言葉を使います。 「彼ら(安全担当管)は、打ち上げ台で物が爆発しない事を確実にする事に生涯を捧げていますからね。」と、ロッキード・マーチン社のマネージャーのエイドリアン・ラフィットは言っています。 数えきれない程の偵察衛星や火星へ向かったNASAのバイキング探査機、外惑星に向かったボイジャー探査機を打ち上げたこの34年になる発射台の爆破は、ロッキード・マーチン社がアトラス5型ロケットのニュー・ラインナップを刷新するために行なう早く安く上げる解体方法です。 でもこの爆破は1つの楽しみにもなっています。来週木曜日に行なわれるこの23年間のケープカナヴェラルでは初めての解体工事では、慈善基金募金チャリティー・パーティーも催されます。 5ドルのくじ付きチケットは既に売りきれました。また「過去を吹き飛ばせ」という文字と起爆装置を押しているネズミの絵が書かれている10ドルのティーシャツもロケットのように無くなりました。 集まった募金はクリスマスに貧しい人達に配られます。 何百人もの作業員達が、2,500フィート(750メーター)離れた安全な場所に集まって2つの鋼鉄の打ち上げ塔が崩落するのを見守ります。 ケープカナヴェラル空軍基地や隣接するNASAのケネディ宇宙センターの何処からでも、何千人でなくとも何百人もの人達が立ち止まって見物することになるでしょう。 カウントダウンは、180ポンド(81キログラム)の爆薬が起爆する午前10時EDT(1400GMT 日本時間14日23時)の前から始まります。 前回発射台が爆破解体された1976年には、アメリカ陸軍がこの作業にあたりました。 14番打ち上げ施設(ジョン・グレン打ち上げ台)も危険になっていますが、空軍はそれを修理する費用がありません。 それよりはるかに大きな41番ロケット発射施設は、ロッキード・マーティン社によって雇われた解体工事専門家によって爆破されます。 1965年に建造された41番ロケット発射施設は、27機のタイタンロケットの飛行の起点となりました。そのほとんどは軍事用でした。 1998年8月と1999年4月の最後の2つの打ち上げは、失敗に終わりました。1つのロケットは、打ち上げ後数秒で吹き飛び、もう1つは役に立たない軌道に衛星を投入しました。 月曜日に解体工事作業員達は、ガスバーナーを使って200フィートの連結タワーの脚をもろくする作業を行ないます。 打ち上げ直前までロケットを保護する高さ300フィート(90メーター)の可動整備塔は、そこから500フィート(150メーター)離れた所にそびえています。 ロッキード・マーティン社の強力なアトラス5型ロケットは、打ち上げを迅速化する為の行程として打ち上げほんの12時間前に打ち上げタワーに移動されるので、このタワーは必要なくなります。 初打ち上げは、2001年に設定されています。 職員は、41番ロケット発射施設の2つのタワーが崩れるのに60秒、700万ポンド(315万キログラム)のその鋼材を再利用する為に運び出すのに一月かかるだろうと言っています。 従来のやり方で1本1本取り外して解体すれば、3ヶ月かかります。 |