ガリレオ宇宙探測機は日曜日に、 一か八かの操縦を行なって木星の火山性の月イオの380マイル(612kms)以内を飛行し、4年間のミッションの素晴らしいフィナーレを遂げました。
「すべてが本当に申し分ありません。」と、パサデナNASAジェット推進研究所のプロジェクト・マネージャーのジム・エリクソンが述べました。 イオから放射される激しい放射線が探査機のコンピューターに障害を与える危険性がありました。しかしエリクソンは、探査機がイオに最接近した1時間後の10:06 p.m.太平洋時間(午後2時06分 日本時間)に全てのシステムは正常に機能していると伝えました。 ガリレオの科学オペレーションのマネージャーのドゥエーBindschadlerは、「イオは火山に関する自然の実験室なので、今回のフライバイは重要でした。」と、言っています。 「イオに接近して調査することで、我々は火山がいつどのように噴火するのか、また何故そのような活動が起こるのか更に知ることができます。この事が我々の地球の火山の活動予測に役立つかもしれません。」と、Bindschadlerは言っています。 このプロジェクトのマネージャー代理ウェインSibleは、ガリレオ探査機を強力な自然放射線フィールドを放っているイオに、これほど接近させる事は、この探査機にとって致命的な事になる可能性があったことを認めています。 しかし彼は、ガリレオ探査機が木星の写真を撮ってデータを送り返す2年間のミッションと、その周囲を調査する2年間の延長ミッションを成功裏に完了させる為の接近遭遇は危険を犯す価値があったと言っています。 「もし電子回路に大きな障害が起こっていたら、フライバイから生き残れなかった可能性がありました。この可能性が故に、我々はイオとの接近遭遇を2年間の延長ミッションの最後に設定したのです。」と、Sibleが述べました。 木星周囲のミッションをこのように成功させた後では、科学的に貴重なターゲットのイオに非常に接近させる計算されたリスクを犯すことは合理的だったように思えます。 エリクソンは、ガリレオ探査機が木星の月の放射帯の最も密度の高い部分を通過するときにコンピューター・トラブルが起こったと言っています。 「しかし我々はこの問題を回避してコンピューターを再起動させることができました。それが放射線が原因で起こったのか他の問題があったのか、我々はおそらく決して知ることなないでしょう。」 壮大な宇宙の旅の初期に高利得アンテナを失っているガリレオ探査機からのイオの科学的データは低利得アンテナで送信されている為に、11月までは地球に届かないと思われています。 しかしエリクソンは、ガリレオ探査機はフライバイ成功後も位置、時間、飛行軌道のデータをまだ送り続けていると言っています。 |