アメリカ研究者によると、全ての小惑星が岩や鉱物の固い塊ではないかもしれないということです。小惑星のいくつかは、他の天体と衝突して固められた多孔質性構造になっているということです。
このような情報の主たる目的は惑星がどのようにして形成されたかという長年の謎を解くことですが、もし小惑星が地球と衝突する針路にある場合はそれが重要になってきます。 この新しい発見は、アメリカの航空機メーカー・ボーイング社とシアトルのワシントン大学によってなされ、科学雑誌「ネイチャー」にレポートとして掲載されました。 「小惑星は我々が太陽系の形成について持っている数少ない手がかりの1つです。」とボーイング社の惑星科学者ケビンHousenが電話インタビューで述べました。 小惑星の多孔質性構造が、それらが低速度で衝突したときに合体しやすくしているのかもしれません。 しかし、それがまた小惑星を地球との衝突針路からそらすのを更に困難にするかもしれません。何故なら多孔質性構造は爆破エネルギーを吸収してしまうからです。 「小惑星を押してコースをそらすことさえ 非常に難しくなるでしょう。」とHousenは加えています。 彼と彼の同僚達は、太陽系にある無数の小惑星の1つマティルドを地球近傍小惑星ランデブー(NEAR)探査機が撮った画像を研究した結果に彼らの理論を案出しました。 この画像には、マティルドの52km(32.3マイル)の表面上に各々が20km(12.4マイル)以上の5つのクレータがあるのが写っています。 しかし、このクレータをつくった衝突の時にできたはずだと科学者達が予想する破片雲の跡は見つかりません。 科学雑誌「ネイチャー」のレポートで研究者達はマティルドの衝突をシミュレーションしています。 彼らは、重力をシミュレートする加速度発生装置を使って多孔質性物体の標的との衝突を研究しました。 「我々は、このクレーターは掘削でなく圧縮でできたものだという代わりの説明を支持する為に、多孔質体を高速度で衝突させた実験測定結果を報告しました。」と科学者達はこの雑誌の中で述べています。 「このクレータ自身が、噴出というよりも圧縮された結果によるものだと。」と彼らは加えています。 研究解説の中で、サンタクルーズにあるカリフォルニア大学のエリクAsphaugは、この研究結果は惑星がどのように形成されたかという事を解き明かすのには役に立つだろうが、災害理論家には悪いニュースだと言っています。 「Housenらが提唱するようにもし非常に多孔質性小惑星が圧縮によって穴があいたのならば、原始小惑星は宇宙のパックンマンのように物資をかき集め回っていることになる。」と彼は言っています。 それは惑星の成長の理解を容易にすることで惑星の起源と成長を知りたがっているモデラーにとっては良いニュースとなるでしょうと彼は言っています。 Asphaugは、自分は小惑星が地球に大災害を引き起こす事をそんなに心配はしていないと言っています。 「我々が人類を滅亡させるような小惑星の衝突を体験する為には、平均して1000万年かそれ以上も生きなければなりません。」と彼は加えています。 |