12月07日付け
CNN Interactive Spaceは

見直されるNASAの全火星探査計画。

という見出しの記事を報じています。

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  NASAは全火星計画を再検討して、ここ数ヶ月で明らかに失敗した3つの火星探査機に続く将来のミッションを遅らせる可能性があるとNASAのダニエル・ゴールディン長官が述べました。

現実的にはマーズ・ポーラー・ランダーと最後の通信チャンスであった火曜日も探査機との通信は確立できないままで終わりました。

エンジニア達は、何故探査機が金曜日に火星大気に降下してから通信できないのかを説明できる可能性のある原因を出しつくしました。

分離した別の2つのマイクロプローブも消失しています。

4日で6回の通信を続けながらエンジニア達は、ランダーのアンテナの向きが誤っている可能性、地球と通信できない方向を向いている可能性、コンピューターのセーフモードなどランダーと通信できない理由を説明できる原因を秩序だてて削除してきました。

残っているシナリオは、既に試した事よりもはるかに複雑で、ありそうもない事だけですと、NASAジェット推進研究所のオペレーション・マネージャーのリチャード・クックは言っています。

ポーラー・ランダーの飛行軌道とその状態は、金曜日に(火星大気)へ突入して通信が途絶えるまでは非常に良好でした。

このシナリオは、1993年に消息を絶った10億ドルの火星探査機マーズオブザーバーと似ています。

マーズオブザーバーのケースでは、その4ヶ月間の調査結果は考えられる60の要因を削除して、この探査機が消息を断った火星の軌道を周回し始めるちょうど3日前に燃料パイプが裂けた事が最もありそうな原因だと結論を下しました。

宇宙局がつかんでいるマーズ・ポーラー・ランダーの最後の瞬間の情報は乏しく、地球から1億5700万マイル以上離れている遭難船を救助できる望みはありません。

「全てがうまく行っていたのかもしれません。ただ厄介な地点に着地したのかもしれません。」
「例えばランダーが大きな丸い岩の上に着地して倒れてしまってはいないのかと誰が分かるでしょうか? 我々はそれを分かりませんし。決して分かるはずがありません。全ては推測の域でしかないのです。」
とメリーランド大学の物理学教授で宇宙計画の専門家ロバート・パーク氏は言っています。


遅れる将来のミッション?

NASAの調査結果次第では、火星の岩石を地球に持ち帰るミッションを遅らせると同時に2001年に打ち上げが予定されている火星軌道船と着陸船のミッションを中止させる可能性があります。


NASAが進める「より安く早く良く」ミッションに疑問

ところで宇宙科学者やその他の人達の中には、NASAが推し進めているマーズ・ポーラー・ランダーのような「より安く早く良く」というコンセプトのミッションに疑問を持つ人達がいます。

「この「より安く早く良く」というコンセプトに対する最初の私の考えは、その3つの中の2つを取らなければ間違いだということでした。3つ全てを行なう事ができるはずはありません、3つの中から欲しいもの2つを選ばなければなりません。」とワシントンに本拠地を置くアメリカン・サイエンティスト連盟のアナリストのジョン・パイク氏は言っています。

パイクは、マーズ・ポーラー・ランダーの場合はその資金不足と要因不足がミッションの問題の原因になったのかもしれないと言っています。

このミッションのプロジェクト科学者のリチャード・Zurekもその可能性がある事を認めています。

「これは実際要因問題です。こんなに多くの事をこんなに少ない人間でやれたのでしょうか?」とZurekはミッション管制室があるパサデナのJPLから電話インタビューに応えて話しました。

火星ミッションの費用

それぞれのNASAの火星ミッションの費用は打ち上げ費を含んで以下の通りです。

マーズ・クライメート・オービター:1億2500万ドル

マーズ・ポーラー・ランダー:1億6500万ドル

ディープスペース2:3000万ドル

マーズ・パスファインダー(1996-97):2億6000万ドル

マーズ・オブザーバー(1993):10億ドル

バイキングIとII(1976):3200億ドル

1998年から1999年に行なわれた火星ミッション(クライメート・オービター、ポーラー・ランダー、ディープスペース2)の総費用はおよそ3億2000万ドルです。

これは、1976年に無事に2つの探査機を火星に着陸させたバイキング・ミッションの費用のおよそ10分の1です。


バックトゥー・ザ・ヒューチャー

惑星探査の新しいアプローチ方法は、宇宙計画の初期時代に逆行することですとランド・コーポレーションの宇宙アナリストのLiam Sarsfield氏は言っています。

「探査機の重量が100ポンド未満だったスプートニクやエクスプローラーを覚えていますか。我々はこのようなタイプの探査機に戻るべきです。ただし高性能さを付加しですが。」と彼は言います。

NASAにも局があまりにも難しい事を進めていると感じている人がいます。

「私は、それをなすためにどうすれば早く安くなるのか分かりませんでした。」とアリゾナ大学のピーター・スミス氏は言っています。

スミスは、パスファインダーやポーラー・ランダーや次期火星ミッションで使うカメラを設計製造するチームの先頭に立っています。

彼は、NASAはあまりにも無理な安売りを進めていると言っています。

「私はある目的の為に(カメラに)ズームレンズや特別機能を付け加えたいのですが、許してもらえません。」

「我々はもう十分に"より安い状態"だと思います。少しはましな状態に進みましょう。」

NASAは、古いやり方よりも新しいミッションの方が危険度が高いことはすぐに認めています。

しかし宇宙探査にはある程度の予測のできないリスクはつきものです。

「新しい計画を行なう側面に、我々がそれをなす機会を手に入れることが重要だという点があります。全ての卵が籠の中に収まっている事はないのです。我々はたとえ失敗を伴ってもその計画を継続するチャンスを持つことです。」とJPLのZurekは言っています。

1962年以来これまで25回のアメリカとロシアの火星探査ミッションは、11回が失敗して4回はそのミッションを完了していません。


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上記の訳文は記事の全容を伝えるものではありません。
誤訳の可能性もありますので、詳細は必ず下記のページで御確認ください。

http://www.cnn.com/1999/TECH/space/12/07/mars.review/index.html

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