NASAは2週間以内にコンプトン・ガンマ線観測衛星を(大気圏に)落とす予定ですが、科学者の中には、この最大の観測衛星を慎重に制御して墜落させる計画を止めさせたいと願う人もいます。
最後のロケット推進は、この17トンの天文衛星が人が住んでいるエリアに落ちる危険性を減らし、太平洋の無人エリアに落とす為に行われます。 この老朽化した衛星に搭載されたジャイロスコープが故障するかもしれないうという懸念が、NASAを決心させました。 幾人かの天文学者は、この衛星は将来まだ重要な観察を行うことができると主張して、安全性への不安要因を再検討しています。 「私は、それをまだかなりの年数使用できると思っています。この時点で落とすのは本当に悲劇です。」と物理学者のジム・ライアンは言っています。 何年もコンプトン・プロジェクトに携わってきたライアンは、現在彼のほとんどの時間を衛星を救う闘争活動に費やしています。 この6億ドルの天文衛星は、9年前にスペースシャトル・アトランティス号から軌道投入されました。 それは直ちに天体物理学や科学者達のクェーサーやブラックホールや超新星について考えた方を変えさせました。 「我々は本質的にこの分野に革命をもたらしました。」とライアンは言っています。 しかし、古くなったこの衛星は近年消耗の兆しを見せ始めました。 3個のジャイロスコープのうちの1個が12月に故障しました。 NASAによると、安全に落とすためには2個のジャイロスコープが働いている必要があります。 もう一つのジャイロは故障することを恐れて、宇宙局のマネージャーは、衛星を6月3日に南太平洋へ落とす軌道へ入れることを決定しました。 「私にとって、これはむしろ簡単な決定です。地球上の無実の人々の安全が全てです。」とNASAの副局長エドWeilerは言っています。 ジャイロスコープに誘導された再突入では衛星の破片が誰かを負傷させる確立は2900万分の1です。 ジャイロスコープがなければ、危険性は増して400万分の1になります。 しかし、コンプトンの配備を支援した元NASAの宇宙飛行士ジェイAptは、その確立でも許容できると考えています。 彼は、宇宙局が昨年のマーズ・クライメート・オービターとマーズ・ポーラー・ランダーを連続で失った失敗で過敏になってはいないかと思っています。 「NASAの歴史を振り返るとこのようなケースはしばしばありました。事故が起こると人は少しの間極端なセーフ・モードに陥ります。」とAptは言っています。 ライアンも、局に対して失望の意を表しています。 「いまや人類を月に送ったNASAではありません。肩をすくめているだけす。」 ガンマ線を研究している科学者達にとって今のタイミングは不幸です。 いま太陽はその11年の活動周期の極大期を迎えて、ガンマ線で惑星を攻撃しています。 コンプトン衛星の支持者達は、代替研究ができるうように刑執行の一時的な猶予を請願してますが、NASAは動じていません。 「もはやロケット科学の判断ではなく、哲学つまり精神的なところの判断です。」とWeileは言っています。 コンプトン衛星関連記事集。 |