屈辱的な連続失敗で苦闘している日本の宇宙計画にとって、最新型ロケットの初打ち上げを少なくとも半延期すると発表した事は新たな痛手となりそうです。
この延期は、日本の将来の宇宙計画で重要な国産ロケットH-2Aの打ち上げ成功を確実にする為に必要なものだと宇宙開発事業団(NASDA)のスポークスマンは言っています。 「成功することが最も重要なことです。信頼できるロケットを製造できなければ何の役に立ちません。」と彼は加えています。 H-2Aの打ち上げは当初来年2月の予定でしたが、来年7月初めから9月末の間に延期されました。 「最終のエンジンテストで多くの種類の問題が生じました。我々はこれらも問題をかたづける間は、問題の残る打ち上げは慎重に対処することがベストだと決めました。」とスポークスマンは言っています。 7月の燃焼試験中に起こった一時的な液体水素漏れなどロケット開発段階で起きた多くのトラブルも今回の決定の要因の1つになっています。 そのテストでは、不良シールの為に一時的に液体水素が燃料タンクから漏れ出しました。これは爆破を引き起こす可能性がありました。 日本のメディアは、ロケットエンジンのパーツで侵食痕が見つかったと報じています。 「これらの問題が最終試験で発覚したので、我々は危険を冒さないことに決めました。」とスポークスマンは言っています。 この決定は、ヨーロッパ宇宙機構のアリアンロケットのような競争相手のレベルにまで打ち上げコストを下げると期待されたH-2Aの出現で競争できる打ち上げプロバイダーになれると願った日本の夢を吹き飛ばすことになりそうです。 日本の前のロケットH-2の1回の打ち上げ費用は約190億円(1億7260万ドル)で他のロケットの打ち上げ費用のおよそ二倍です。 H-2Aは、その処女飛行でヨーロッパ宇宙機構の衛星を軌道投入する予定でしたが、9月にNASDAが安全性の問題で衛星を打ち上げないと発表してそれはキャンセルされていました。 この衛星の打ち上げは、1999年11月に打ち上げ8分後にトラブルの為に強制爆破されるという事故の為にすでに一度延期されています。 その結果100億円の衛星が失われて、H-2計画は1ヵ月後に中止されました。 他にも1998年に600億円の費用を投じた打ち上げに失敗しています。 日本のメディアは、日本はヨーロッパ宇宙機関に対して、もしその衛星をデータ伝送実験に使用させてくれるのなら無料で衛星を打ち上げるとまで申し入れたが、ヨーロッパ宇宙機関は他で打ち上げることになったと報じています。 日本で10個の衛星を打ち上げると契約していたアメリカの衛星メーカーのヒューズSpaceとCommunicationsは、日本の宇宙技術の信頼性が損なわれたとしてその契約を5月に破棄しています。 |