地球の暗い隅に巨大な鏡(ミラー)を使って太陽の光を反射させるという軌道上での野心的な実験は、木曜日ロシアのミール宇宙ステーションのクルーが傘型ミラーを展開させることができないという妨げで苦しみました。
「緊急事態の状況です。ミラーが展開していません。」と、ミール飛行管制センターのスポークスマンVsevolod Latyshevがレポーターに話しました。彼は、クルーがそれを開けようとし続けていると付け加えました。 この故障は、木曜日早くにミールから離脱した再補給船プログレスの船上で起こりました。ミラーはプログレスに取り付けられていました。 モスクワ時間午後2時34分(午前6時34分ET/1134 GMT/午後8時34分JST) にミールに乗った二人のクルーが、プログレスに25メートルのマイラー・ミラーを開くように指令信号を送りましたが、数分後に彼らは地上の指揮官に傘型ミラーは補給船のアンテナの一つにひかかってしまったと伝えてきました。 このミラーは人工の月のような働きをして太陽の光をロシアや旧ソヴェート共和国 の多くの地域さらにドイツやチェコスロバキアの共和国に届く地域に反射させる事になっていたと、もう一人の飛行管制センターのスポークスマン、バレリーLyndiが語りました。 もし終日の実験がうまく進行して更に空が晴れていれば、地上に映る8ないし5キロメートル(3〜5マイル)幅の光の円が、秒速およそ7メーターの速度で移動していくはずでした。 ロシアの地上コントロール・センターによると、光のビームは、以下のエリアを 連続的な順序で通り過ぎることになっていました。 カザフ共和国のKaraganda地方とAktyubinsk地方 ロシアのボルガ川流域のSaratov地方 南ウクライナのPoltovaとKharkiv地方 ゴメル、Belarus 西ヨーロッパのおそらくベルギー、ドイツ、チェコスロバキアの共和国 カナダ南部 アメリカ合衆国北西部のシアトル ミラーの設計者は、それが太陽の光がよく当たらない北部の都市を照らすのに使うかもしれないもっとはるかに大きいモデルの試作品として使われることを望んでいました。 このようなミラーは、建設現場や災害地域、若しくは明かりの必要な地域を照らし出す事ができたはずだと当局者は語りました。 設計者達は、連続したミラーあるいは1枚の巨大なミラーは太陽を利用して暗さを克服し、日照時間を長くして農業を増進させる事ができただろうと言っています。 もっと先の未来ではこのような装置は、宇宙を航海する宇宙船の推力に太陽風を使った「太陽帆航法」として活躍するかもしれません。 実験が計画通りに進行していれば、このミラーは廃物でいっぱいのプログレス貨物船と一緒に大気中で燃やされていました。 ロシアは6年前にも類似した実験を行いましたが、クルーがミラーをうまく動かすことができずに、位置を知っている人たちだけがかろうじて見えるだけでした。 |