日本の NASDA はTRMM マイクロ波イメージャー(TMI)のデータから海面温度を割り出す事に成功しました。
TMI とはNASAが提供した装置で、熱帯降雨観測ミッション衛星(TRMM)に搭載されています。TRMM はNASDAとNASAによって共同で開発され、1997年11月にNASDAの種子島宇宙センターから打ち上げられました。TMI は雲の下の海面温度を海面からのマイクロ波信号を利用して測定することができます。ADEOS の「みどり」やNOAA のような赤外線装置を使った衛星ではこのような観測はできません。さらに TMI は南38度から北38度までのほとんどの観測エリアを、精度およそ25キロメートルの水平解像度のデータで4〜5日でカバーします。他の赤外線装置なら一週間以上かかります。 マイクロ波スキャナーによって海面温度を測定する観測装置が、長い間、多くの海洋写真家達から切望されてきました。しかし、現存するマイクロ波スキャナーはこのよう性能は持ちませんでした。 NASDAはNASDA独自のアルゴリズムに10GHzの新しいデータを加えるプロセスを使って初めてこの事を実現させました。同様な観測が2000年までに打ち上げられるADEOS2型衛星の後にも続けられます。割り出された海面温度は、日本の気象庁が毎月、観測船や観測ブイや観測衛星を基礎に地球規模で測定する海面温度からその誤差はプラスマイナス1度以内であると証明されています。 公開されている画像は、4〜5日おきの日本の周囲の海面温度や海流の変化、またエル・ニーニョの消滅や短期間隔でのラ・ニーニョ現象の発達状態のような興味ある現象を示しています。 NASDAの専門家達はこれらの情報が、気象予報や異常気象の研究、海流の変化に関する更なる理解や水産業の分野などに役立つ事を期待しています。 NASDAはこれらの画像を更新して次のウェブで公開しています。 http://www.eorc.nasda.go.jp/TRMM/img/pcfc_tmi/pcfc_tmi_e.htm |