来年3月のスペースシャトル・アトランティス号の飛行準備をしていた技術者が、不注意にこの船のウィング・フラップに損傷を与えたとNASAが今日述べました。
先週末、技術者達が船内でアトランティス号の翼についているエレボン(*注)を試験していた際、彼らは異常な音がするのに気づいたとNASAのスポークスマンのジョエル・ウェルズは言っています。 彼らは、フラップつまりエレボン上についているプッシュロッドが曲がっていくつかのパネルを傷つけているのを見つけました。 傷つけられた全ての部品が取り替えられなければなりません。 この事故はまだ調査中ですが、NASAは技術者がエレボンを動かす前に小さなドアを開けていなかったと思っているとウェルズは述べています。その事が明らかにこの損傷の原因だと彼は言っています。 アトランティス号は、配線点検の為に予定より1ヶ月遅れた3月10日以降に国際宇宙ステーションに供給品を運ぶことになっています。 回路のショートが7月のコロンビア号の打ち上げを危うくした為に、4機全てシャトルが欠陥配線のチェックを受けています。 傷ついたフラップの修理は、3月までに完了されなければなりません。 今週起こったロシアのプロトンロケットの打ち上げ失敗でアトランティス号の飛行がさらに遅れるのではないかと思索するのは時期尚早だと もう一人のNASAのスポークスマンのジェームズHartsfieldは言っています。 同型のロケットが、宇宙ステーションの生命維持システムを装備するロシアの長期サービス・モジュールの打ち上げに使われます。 このサービス・モジュールは、アトランティス号の飛行前に軌道を周回しているステーションに取り付けられなければなりません。 *注 エレボン 水平尾翼と主翼を持つ一般の航空機は機体を空力的に操縦する為に、エレベーター(ピッチ軸制御)エルロン(ロール軸制御)ラダー(ヨー軸制御)フラップ(揚力制御)と呼ばれる可動翼を別々に持っています。一方で、全翼型のスペース・シャトルは垂直尾翼に付いているラダーを除いたエレベーター、エルロン、ラダー、フラップの役目を総合的に果たすエレボンと呼ばれる可動翼のみを持っています。打ち上げの時はエレボンは固定されていますが、再突入後はグライダーのような滑空飛行となりこのエレボンを使ってKSCまで操縦して帰還します。 損傷したパネルや曲がったプッシュロッドの写真がNASA-WATCHに掲載されています。 |