木星の月イオのとの最近のフライバイの時に、NASAのガリレオ探査機はこの月の表面上空に1マイル以上も噴出している灼熱の溶岩泉を観察しました。
巨大な火山性クレータ内で噴出している溶岩のカーテンを写したこれらの画像は、サンフランシスコで開催されたアメリカ地球物理学ユニオンの秋の会議で公開されました。 ガリレオ探査機は、この画像を11月25日感謝祭の夜に撮りました。 「我々は、イオで起こっている巨大な火山噴火のクローズアップ画像をとうとう手に入れました。噴出している溶岩が非常に高温なのでカメラ画像の一部が露出オーバーして真中に明るいぼやけを残しています。」と、カリフォルニア州パサデナのNASAのジェット推進研究所のガリレオ計画科学者であるトレンス・ジョンソン博士が述べました。 これらの溶岩泉は、非常に高温で高くまで噴出しているのでハワイのマウナケア頂上にあるNASA赤外望遠鏡によってでも観測されています。 この望遠鏡とガリレオ探査機の観測から得られたデータにより、科学者達はイオの超高温の溶岩の温度を決定する最高のチャンスを得ました。 これらの画像は、イオの北方の緯度にあるクレータが陥没した巨大カルデラ地域を写しています。 それらは、肉眼では見えない波長を観察する2つのガリレオのオンボード観測装置(カメラと近赤外マッピング分光計)によって得られました。 溶岩泉は地球上でも最もすばらしい火山性の見せ物となっていすが、ハワイやその他の所で見られる溶岩泉は、数百ヤード以上も噴出することは滅多にありません。 それが起こるのは非常に珍しくかつ短時間なので、この事象を被写体にするのは非常に困難です。 「観測できる確立は、500回に1度です。」とアリゾナ・トゥーソン大学出身のガリレオチームの科学者アルフレッド・マキューエン博士は言っています。 太陽系で最も強力な火山ロキから得られた観測結果も議論されます。 これらには、ハワイやワイオミングにある赤外望遠鏡そしてガリレオ探査機の他の2つの観測装置(望遠写真偏光計ラジオメーターと近赤外マッピング分光計)によるイオの最近の観測も含みます。 これらのデータは、一定温度になりつつある溶岩表面の大部分と共に時間によるロキからの放出熱の大きな変化を示しています。 この望遠鏡の観測結果から、ロキが9月始めに大きな噴火活動期を始めたことが分かりました。ガリレオ探査機は十月のフライバイの時にその最高時の噴火を捉えています。 ロキの120マイル(193キロメートル)幅のカルデラの観察の際に、ガリレオの観測装置の1つが他の場所よりもはるかに高温の領域をはっきりと見つけました。 「我々は、この高温の領域は9月に始まった噴火の場所だと考えています。ついには、新しい溶岩が溢れ出して他のカルデラを覆ったのかもしれません。」とローウェル天文台のとジョン・スペンサー博士が言っています。 イオへのフライバイは挑戦的で危険でした。何故なら木星の放射線帯から来る激しい放射線領域が待ち受けているからです。その放射線は探査機のコンポーネントにとって有害なのです。 事実、10月10日のイオとのフライバイの際にガリレオによって撮られた画像のいくつかは放射線に関連した問題で歪んでいました。 ガリレオ・チームのメンバーはこれらの画像は失われたと思っていましたが、JPLの測定技術センターのエンジニア達はテキサス州オースティンにあるナショナル・インストルメントからのLabVIEWソフトウェアの助けを借りてこれらの画像を修正できました。 「それは、ごちゃ混ぜになったテレビのケーブル信号を見るようなものでした。そしてソフトウェアを使ってこの信号を元に戻したのです。」 とジョンソン言っています。 「JPLのエンジニア達は、イオ近くの放射線によって不用意に導入されたコードをつぶさなくてはなりませんでした。」 「彼らは、この画像を再構築するのに必要なデータのわずか4分の1しか持っていませんでした。この仲間達は、失われたビットを推測する賢明な方法を発見したのです。それは数学的には不可能に思えますが、彼らはそれらを引き出したのです。」とアリゾナ大学のラズロKeszthelyi博士は言っています。 画像はここで入手できます。 上のページの画像は、1999年11月25日にNASAのガリレオ探査機が木星の月イオとのフライバイを行なった時に撮られたものです。 2段目画像には、珍しい山々が見られます。 太陽光はっこの画像の左から当たっていますので、山々が投げる影を誇張しています。 3段目のモザイク画像には、地表から噴出している溶岩泉が写っています。 この活発な溶岩はカメラ・チームが「出血」と表現するほど高温で、ガリレオのカメラの検知機がその被写体の明るさで電子が検知機全体にあふれてオーバーロードしてしまいました。 その為にこの画像中央やや左に白くぼんやりしたもが写っています。 1段目の画像は「出血」がないように復元したものです。 |