12月のNASAのマーズ・ポーラー・ランダーの消滅は、宇宙局にとっては驚くべき出来事ではなかったという情報をUPIが得ました。
火星への到着に先立って調査委員会は既に制動スラスターの致命的な設計ミスを確認していましたが、NASAはそれを公に公表するのを控えていました。 この探査機は、2月3日に火星の南極近くに着陸を試みている時に消息を絶ちました。 展開されていた2個の小型マイクロプローブからの信号も受信されませんでした。 それは、アメリカの惑星間探査計画にとって3ヶ月もたたないうちに起こった2度目の大きな痛手となりました。 9月23日仲間の探査機は、航法ミスが原因で火星大気にあまりに深く入りすぎて破壊されました。 この事故に続いて、NASAは事故を調査してNASAの手順の改善を勧告する為に複数の専門家委員会を設置しました。 2度目の事故調査委員会に詳しい情報筋は、UPI通信社にこれはNASAの評判を「痛烈に悪くする事」だと話しています。 人為的ミスを単に管理できなかったことが原因だった前の事故と違って、今回の場合は、管理上の誤った考え方が第一の致命的な不備を引き起こしています。 「私が知る限りでは、これはひどい事です。」とこの情報筋は結論づけています。 非公式にUPI通信社に説明された内容では、マーズ・ポーラー・ランダーを乗せたロケットの制動スラスターは、その構造試験に合格していませんでした。 高い費用と時間がかかる再設計は行われずに、無名の宇宙局職員が、エンジンが試験に合格するまで単にテスト条件に手を加えていたのです。 「それは、中間管理職で行われました。それは、命令系統や承認手続きなどは使われずになされた事です。」とこの情報筋はPI通信社に話しています。 マーズ・ポーラー・ランダーは、ヒドラジン燃料を使うロケットエンジンを使用しています。 この燃料は、エンジンによって使われる推力を発生させながら激しい分解を引き起こすメタル・ロストルの中を通ります。 このメタル・ロストルは、「触媒ベッド」または「キャット・ベッド」と呼ばれています。その目的は、ヒドラジンの中で爆発的な化学反応を開始させることです。 「彼らは、飛行で予想されるよりもはるかに高い温度でキャット・ベッドの点火試験を行いました。」とこの情報筋はUPI通信社に話しています。 地球から火星までの長い航海の後では、キャット・ベッドが低温であると予測して最初は低温での試験がなされましたが、それは点火しないか制御するにはあまりにも不安定でした。 そこで、このテスト条件がエンジン性能を証明するために変更されました。しかし、それは実際の宇宙飛行ではほとんどありそうもない条件でした。 管理ミスによる初の探査機損失の後、NASAはマーズ・ポーラー・ランダーにも類似した手落ちがないか確認する調査を開始しています。 UPIの情報筋によると、キャット・ベッドの試験の事は12月3日の着陸のほんの数日前に明かされました。その時点では事は遅すぎました。 温度関係の設計不備があるという間違ったうわさが、着陸数日前から一人歩きしました。 しかし、宇宙当局が火星到着前に切迫した失敗という恐ろしい兆候を持っていた9月の場合のように、NASAは一般にこれらの予測を発表しませんでした。 伝えられるところによると、マーズ・ポーラー・ランダーの調査チームは、たとえエンジンが正常に動作しても、探査機を運命づけるような致命的な設計不備があることを確認していたということです。 |