「OKヒューストン。問題が起こった!」
アポロ13号の司令官ジム・ラヴェルからのこのぞっとする言葉が、30年前の今週世界にショックを与えました。 長年NASAのミッション・フライトディレクターを努めるジーンKranzはアメリカ宇宙計画の新刊本「Failure Is Not An Option」で書いています。 「危機が始まりました。事は問題を大きく複雑にしながら急速に進展し、乗組員の状況は次第に危険になっていきました。」 それは我々が危機の全容を把握し始める15分前でした。 我々がそれを把握したとき、月探査ミッションの継続はないと認識しました。 このミッションは、救出ミッションに変わりました。」 このアポロ13号の危機の前、米の月計画は1969年にアポロ11号が月面 着陸を果たした事を皮切りに成功で輝いていました。 アポロ13号のミッションが順調に進まないと思う理由はありませんでした。 打ち上げは1970年4月11日午後早くに行われました。 問題は何もありませんでした。 経験豊かな司令官ラヴェルと優秀な乗組員、フレッドHaise、ジャックSwigertがしっかりとした管制の下にいました。 しかし飛行に入って55時間55分4秒後すべてが変わりました。 その時、アポロ13号は月への旅行のおよそ80パーセントを完了していました。 Kranzは書いています。 「轟く雷鳴のように、私の声は生き生きと繰り返されていました...その時ラヴェルが不吉な言葉を口にしました。”OKヒューストン。問題が起こった!”」 酸素タンクが爆発して、宇宙船の主電源である指令船の燃料電池を破損させたのです。 爆発が起こったとき、アポロ13号は地球から200,000マイル、月面から45,000マイルの位置にいました。 唯一の選択は、乗組員を地球に連れ戻すことでした。 Kranzは控えめですが強い文調を使って綴っています。 「帰還させるパズルは3つのピースでできている。」 「指令船は、再突入で使う船であり、耐熱シールドを持っているが電力が極力制限される状況にある。」 「救命艇として使える月着陸船は、月面上で2日間2人の乗組員をサポートできるように設計されており、現在我々の唯一の電力源であり生命維持源であり推進源である。」 「3つ目のピースは、傷ついたサービス・モジュールで、実際どれほどの損害状況なのか分かっていない。」 「これらの全てのピースと共に、我々は月を周回飛行して作戦を遂行し、4日間以上3人の乗組員の命を維持しなければならない。そして最後の瞬間で乗組員を指令船に非難させる。」 「それから、我々はこれらのピースを異なる弾道で再突入するように分離さなければならない。」 (省略) アポロ13号は4月17日にサモア近くの太平洋に無事着水しました。 後に、Kranzと救出チームのメンバーは、リチャード・ニクソン大統領から国で最も尊い市民名誉賞である連邦プレジデンタル・メダルを受け取っています。 1995年の映画「アポロ13号」は宇宙での救出活動がいかに信じ難いものかを世界に知らせました。 映画では、エド・ハリスがKranzの役をみごとに演じています。 この演技で彼は、アカデミー賞指名を勝ち取りました。 ハリスの演技に対するKranzの意見は? 「私は、彼にフライトディレクターに転職するように勧めようと思っています。」 |