昨年の火星ミッションの連続失敗、国際宇宙ステーションの建設の深刻な遅れ、NASAは再びマーフィーの法則で悩んでいます。
プロトタイプX-33はまだ開発途中にあり、スペースシャトルがNASAの主力宇宙船の座を続けています。一方で、10億ドルの新型シャトルの開発計画は全てが悪い方に進んでいます。 アメリカ航空宇宙局は新しいスペースシャトルの開発に4年を費やしてきましたが、半完成の試作機はカリフォルニア州Palmdaleの格納庫に置かれたままです。 X-33宇宙船は18ヵ月前に最初の試験飛行を行う予定でしたが、技術的問題が最初からつきまとい、専門家は永久に飛べないのではないかと疑っています。 最も深刻な問題が昨年11月に起きました。水素燃料タンクのうちの1つが試験中に裂けたのです。 NASAはプロジェクトの資金を使い果たし、契約業者ロッキード・マーティン社もX-33開発に約束した2億2000万ドル以上をすでに使っています。 NASA当局は、この問題を一時的な後退として特徴付けていますが、彼らはこのプロジェクトをほとんど1年間世間の目から遠ざけています。 「我々は、今年から2002年までおよそ2年の遅れを見こんでいます。」とプロジェクト・マネージャのジーン・オースティンは言っています。 しかし宇宙産業界はこれに懐疑的です。 「私は、X-33は永久に飛べないのではないかと思っています。この意見は私だけではありません。」と衛星追跡サービスを行っているユニバーサル・スペース・ネットワーク社のティムKygerは言っています。 X-33は、スペースシャトルの高性能の後継機となることになっていました。 信頼性の高い再使用可能な宇宙船は、打ち上げ費用を現在の1ポンド当たり10,000ドルから2006年か2007年には1,000ドルにまで下げると期待されていました。 安い打ち上げ費用は、今日は利益につながっていない観光事業から宇宙での半導体化学製造までの道を切り開くことができます。 技術評論家は、宇宙船の未来的設計が主な問題を生んでいると言っています。 かつてNASAは、スペースシャトルの製造に十分に実証されたたテクノロジーを選んできましたが、今はリスキーな技術を選ぼうとしています。 「NASAは、低リスク路線を歩まずに高リスク高報酬の路線を歩んでいます。」とこの宇宙船を設計したエンジニアのデイブUrieが1997年のスピーチで言っています。 1999年11月に大きな問題が発覚するまで、エンジニア達はエンジンと水素タンクに関して困難な挑戦を続けてきました。 「私の考えとしては、良く研究され良く試験された技術に背を向けるのは間違いです。」と自分の設計が変更されたことにいやけがさして1996年にロッキード・マーティン社を退社したUrieは言っています。 現在、宇宙局とロッキード・マーティン社は、このプロジェクトはいつまで続いていったい誰が報いるのかという、Kygerが呼ぶところでは「メキシコの引き分け」なる渦に巻き込まれています。 |