太陽の活発化で、ロケットブースターや衛星のマイクロ電子機器に障害を与えたり破壊させる恐れがある高エネルギー粒子のプロトンの量が通常よりも多くなっています。
これらのエネルギッシュな陽子は、ハードウェアに不完全な信号を送り出すコンピューター障害「シングル-イベント・アップセット」を引き起こす可能性がある機器へ影響を与えます。 「マーズ・オデッセイとそのデルタ2型ブースターは土曜日の打ち上げ準備はできていますが、我々は宇宙気象を注意深く監視する必要があります。宇宙気象は常に打ち上げに影響します。そして今ちょうど太陽活動周期の極大期です。我々は目を光らせておかなければなりません。デルタ2型のコンピューターに障害を与える可能性がある超えて欲しくない電磁束密度レベルになっているのです。これは宇宙ビジネスでは当たり前の処理手順ですが、そんなに頻繁に起こることではありません。」とNASA本局のマーズ・プログラム・ディレクターのスコット・ハバードは言っています。 NASAは、打ち上げ期間を4月7日から4月27日まで広げています。そしてこの20日間の打ち上げ期間は、毎日2回のランチウィンドウがあります。 「通常は最初のランチウィンドウで打ち上げるのが好ましいのですが、いま直面している異常な(太陽の)活動がある限り、通常の打ち上げ環境ではありません。」とハバードは言っています。 マーズ・オデッセイ・ミッションは、実質的にNASAの火星探査フライトへ復帰を意味します。 1999年のマーズ・クライメート・オービターとマーズ・ポーラー・ランダーの連続失敗がNASAの火星探査計画の大きな手直しを余儀なくしました。 2億9700万2001ドルをかけたマーズ・オデッセイの打ち上げは、NASAの再構成された火星探査計画の再開を意味しまします。 「このミッションのスラムダンク的成功を100パーセント確信できると言い切れる人はいないでしょう。しかし、私が言えることは、オデッセイを成功させる為にできる可能なことは全て行ったということです。」とハバードは言っています。 |