2月1日付け
FLORIDA TODAY Space Online's Space Today は

NASAは火星で飛行機を飛ばす為の資金を求める

という見出しの記事を報じています。



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 NASAは、2003年に火星でロボット飛行機を飛ばす、すなわち別の世界で飛行機を飛ばす人類初の芸当を行おうと希望しています。

 この4000万ドルのプロジェクトは、今日NASAの2000度会計予算要請の一部として発表されることになっていると、USAトゥデーがレポートしました。

 アメリカ国会は、まずNASAの136億ドル予算に含められるプロジェクトを承認しなければなりません。可決される勝算はあると思われています。  

 もし予算が承認されるならば、NASAはアメリカ-フランスの火星を探査するミクロミッションの一環として飛行機の設計製造をする為に一般企業と自分のセンターから入札を求めるでしょう。

 勝利を得た入札者がしなければならない事は、エンジニア達がどのようにして火星の大気中で飛行機を飛ばすかを理解することです。

 それは、およそ100年前にオービルとウィルバーのライト兄弟が直面した事に劣らない難関です。

 ライト兄弟は、1903年12月17日キティーホーク号で120フィートを12秒間、初めて人間を乗せて動力飛行を成功させました。  

 「これはおばあちゃんの所へ旅行するようなものではありません、もし困難でなかったら我々はそれを取り組もうとはしなかったでしょう。これは科学ミッションではありません。技術力を立証する為の非常にリスキーなデモンストレーションです。」とNASAのスペース科学チーフのエド・ワイラーは語りました。

 火星の大気の中には、地球の航空機が出くわす物とは非序に違った高い危険性があります。

 火星の大気は、その95パーセントが二酸化炭素で、地球の大気中には豊富にある窒素や酸素はほんのわずかな量しか含まれていません。

 火星の大気圧は、我々の地球の100分の1以下で重力もおよそ3分の1しかありません。

 火星には、80 mphで吹く風や、低空の霧や、局地的に荒れ狂う嵐が、地域的あるいは惑星全体に存在します。

 NASAのプランナーは、無人機はフランスのAriane 5号商用のロケットで、コンピューター端末サイズのコンテナに収納されて打ち上げられる事になるだろうと想像しています。

 この折り畳み式の飛行機は、コンテナの重量制限440ポンドに適合するコンパクトなものでなければなりません。

 「それはかなりの翼幅が必要となり、全翼機の格好になるでしょうが、小さなコンテナーに収まるように折りたたみ式でなければなりません。」と、Weilerは言っています。

 地球軌道で一度コンテナの小型推進ロケットを噴射して月の方へ向かうコースへ投入されます、そこで火星まではじき出されるのに十分な速度を得ます。  

 耐熱エアロシェルが火星の大気に到着するまでの道のりの間、飛行機を守ります。 それから、このシェルはこぼれ落ち、飛行機の翼は、動力または滑空飛行して地表に着陸できるように広がります。

 この飛行機の飛行中の動きは、打ち上げ前にプログラムされていなければなりません。飛行機が火星に到着すれば、科学者はリモートコントロールによる操縦はできません。なぜなら地球から送られた信号がそこに届くまでには少なくとも8分かかるからです。

 搭載されているカメラと計器は、火星の化学組成や電磁場や重力の変動を測定します。それらのデータは科学者達が、火星の進化や生命に必要な成分である水または氷が地下に存在するのかどうかを更に良く知るのに役立つでしょう。

 火星を飛行する飛行機は、軌道を回っている衛星と着陸船との間のデータの隙間を埋めることになるでしょう。

 数百マイル上空の衛星は広い範囲を調査できますが、ぼやけた視界しか入手できません。地表着陸探査機は、非常に詳しく地形を調べる事ができますが、1度にできるのは小さな範囲だけです。

 「空中飛行することは、この中間の観点を与えることができるのです。」と、NASAの太陽系開発のヘッドであるカールPilcherは語りました。

 火星で飛行機を飛ばすというアイデアは、20年前にさかのぼります。1970年代後半カリフォルニア州パサデナのNASAジェット推進研究所のチームが、エンジン動力の試作機を造りました。「それは、軽量グライダーのように見えました。しかし、皆さんはどこからかで始めなければなりません。ライト兄弟は12秒から始めました。私は、火星の初飛行は地球の初飛行よりもずっと長い物になると思っています。」と、チームリーダーで現在パサデナの惑星協会のエグゼクティブ・ディレクターであるルー・フリードマンが言いました。  

 2003年という目標は、全く運良く巡り会ったものですとNASAは言っています。 その年は、地球から宇宙船を打ち上げるのに好都合な位置に次に火星が並ぶ時なのです。このような惑星の整列は2年ごとに起こります。

 「ライト兄弟百年祭を祝うには、素晴らしい方法です。」と、フリードマンは言います。

 「我々が飛行機を飛ばして3次元で地球を見れるようになった1900年代に、我々の地球の見方はいかに変わったでしょうか。今回の計画はこれと同じ重要性を持っています。そしてそれは世界中の祝賀でもあるのです。」      


http://www.flatoday.com/space/today/020199h.htm

 

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