Space Sciemce News  10月14日


http://science.nasa.gov/newhome/headlines/ast14oct98_2.htm

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ジャコビニ流星群が観測者をまぶしがらせる

 日本と東アジアのスカイ・ウォッチャー達は、先週、ジャコビニ・ジンナー周期彗星のおかげで素晴らしいショーでもてなされました。

 この彗星は、地球が彗星の軌道を通過してからおよそ40日遅れて到着するのですが、彗星から出た塵の先端部分は、先週木曜日に地球に到着しました。天文学者達は流星嵐の可能性を予測していましたが、多くの観測者は失望しませんでした。ジャコビニ流星群は、過去に一時間当たり2万個以上で大出現したことがあります。

 今年の出現は、10月8日の22hと23 h(日本時間)の間でに起こりました。それは、カリフォルニアでは午前6と午前7時の間、ニューヨークでは午前9時と午前10時の間に当たります。アメリカでは、流星雨は朝日に隠れてほとんど見ることはできませんでしたが、日本での観察はこれよりもはるかに好条件でした。

 日本流星協会は、日本では現地時間午後8時30分頃に1時間当たり500個以上の 流星が見られたと報告しています。



上の表のプロットは、日本流星協会のメンバーによって日本でカウントされた 1 時間当たりの流星出現数です。最大では、1時間に500以上があります。
大きい表


 アメリカで流星活動を見るのは困難でしたが、不可能ではありませんでした。ミズーリ州 カンザスシティーの熱心な流星ウォッチャーは、10月8日12:14世界時に明るい流星を見たと報告しています。それは北の地平線よりおよそ30度上で見られました。それは、それの中でわずかに青銅色がかった白色でした。

 最も驚くべき事は、太陽はまだ地平線から昇ってはいませんが既に澄んだ朝が輝いているのに、その流星は大きく輝いて容易に見られたと言う事実です。


アーティストが想像した
火球になって流れるジャ
コビニ流星。ドゥエーン・ヒ
ルトンによる。



他のどこよりも幸運だった観測者達

 流星の活動は2時間も続きませんでしたので、日本とアジアで時間当たり500個以上見えた他は、ほかの地域の観測者達はほとんど見ることができませんでした。

 イスラエルの天文協会の9人経験豊かな観測者のチームは、Science@NASAに次のような報告をしてきました。
「およそ3時間の観測で、我々は非常に低い割合で出る流星を観測した。最初1時間では、毎時およそ5〜7個、その後の時間では毎時1〜2個を数えた。それは散在流星のようにさえ思え、ジャコビニ流星群は言うまでもなく空から姿を消してしまった。」


ジャコビニ流星群の電波観測

 アマチュア天文家の間で電波の反射を使っての流星観測が増えています。そして、先週の流星雨も例外ではありませんでした。流星が大気の中で燃え上がるとき、イオン化されたガスの尾を残します。イオンはすぐに消えますが、遠いラジオ局から送信された電波が、このイオン化された尾に反射されて、短い時間地球に戻ってきます。  

 激しい流星雨の間は、簡単な短波受信機で、数千キロメートル離れた局からの放送が反射されたのを1分当たり何回もキャッチする事ができます。

 先週のジャコビニ流星群の活動の間、E. P.バスは、オランダのフローニンゲンで、3-エレメント八木アンテナを使って何百もの流星の反射を観察しました。 彼が検出した信号は、周波数72 MHz出力130キロワットで、ポーランドのヴロツワフの局から送られたものでした。ポーランドからの送信電波は、大気圏の上方へ上がって、イオン化された流星の尾にはねかえされて、再びオランダのアンテナに下ってきたのです。

 下のプロットは1秒より長く続いた反射のカウントを示しています。バスは、1時間当たりの流星の反射数のピークを、12:30(世界時)ころに観測しています。これは日本で目視でピークを観測した時刻と一致しています。  オランダではジャコビニ流星群の活動が日中に起こり目視観測が不可能だった点に注意して下さい。電波観測が、流星嵐を「見る」ための唯一の手段だったのです。




大きい表


より詳しい情報はオランダ流星協会のウェブ・サイトで見ることができます。

オランダ流星協会



彗星の塵(母彗星よりも先に飛来した塵)

 彗星が太陽系内を訪れるとき、それらが太陽のそばで暖められたり、太陽風によってへこまされたりして、地球に接近すると、肉眼で見ることができるおなじみの彗星の尾を作り出します。この尾の中の塵は、氷や岩の小さい粒子から成っていますが、宇宙にそのまま残ります。地球がこれらの粒子に遭遇すると、それらが大気にぶつかって発光し、流れ星となるのです。

 先週初めにはまだ科学者達は、ジャコビニ・ジンナー彗星から出た塵が目立った流星嵐を生み出すかどうか確信が持てませんでした。何故なら、地球がジャコビニ・ジンナー彗星の軌道を通過するのは、彗星自体が通過する時よりも49日も早かったからです。

 塵は彗星の後方に曳かれるという事は我々は知っています。では、塵は彗星より前方を飛ぶことができるのでしょうか?

 先週の流星の活動が基礎となり、世界中の流星観測者達の努力のおかげで、今私たちは、その 答えが「イエス」であるということを知りました。


ジャコビニ彗星と太陽系の3Dモデル(JAVAが必要です)



 ジャコビニ流星群に関する我々の理解が向上して、将来もっと信頼できる流星嵐の予測を可能にし、科学者達の流星やその母彗星に関する理解に役立つでしょう。




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