水曜日、土星へ向かっているカッシーニ探査機は、その指向システムがトラブルに陥ったため木星の観測を中断しました。カッシーニ探査機は、来週の巨大ガス惑星との接近遭遇を目前にして、非常に期待されていた画像取得と調査を中止しました。
12月17日、2階建ての高さがあるこの探査機の主反動ホイールの1つがその通常動作を停止しました。 それによって、カッシーニは、電気駆動ホイールから予備の照準装置に 操縦システムを自動的に切り替えて、小型ヒドラジン・スラスターを燃焼させています。 探査機の観測装置を木星の方へ向ける為に、このスラスターが貴重な燃料を多量に消費することを心配して、本来の目的である土星探査ミッションの為に燃料を節約するように地上管制官は、木星観測を中止する指令を送りました。 このトラブルの情報を更に集める為に、問題の反動ホイールのテストが実施されます。NASAは、この反動ホイールは通常よりも、多くの回転力を必要としており、原因は宇宙塵の可能性があると言っています。 「我々は、このシステムをテストしながら、慎重に答えています。結果は、長い時間をかけないで判明するかもしれませんが、このホイールを使い続ける前に、何が起こったのか完全に理解することを願っています。」と、カッシーニ・プログラムのマネージャーであるボブ・ミッチェルは言っています。 問題は2〜3日内に解決して、1週間以内に木星観測が再開できる可能性はあります。 カッシーニは、4つの反動ホイール・アセンブリーを持っています。そのうち3つはお互いに垂直にマウントされていて、残りの1つは予備になっています。 電気モーターがこのホイールを回転させると、物理の法則の反作用に従って探査機は回転と逆方向にゆっくりと動きます。3つのホイール回転の色々な組み合わせで、探査機を好きな方向へ向けることができます。 「この探査機は、正にそのように動作するように設計されており、ホイールが止まれば、スラスターを使うしかありません。」とミッチェルは言っています。 12月18日の診断では、第2ホイールが50rpmにまで回転を上げる為の回転トルクは通常よりも高く出ています。 しかし、もし小さな異物があってもホイールを50〜300rpmで自由回転させればそれが取り除かれる希望があると宇宙局は言っています。 1997年10月にタイタン4Bロケットに搭載されてケープカナヴェラルから 打ち上げられたプルトニウム発電のカッシーニ探査機は、2004年7月に土星に着くために木星の重力を利用して速度を増す為に、12月30日におよそ600万マイル離れた位置で木星への航路を維持しています。 カッシーニ探査機は、1995年から木星の軌道を回っているNASAのガリレオ探査機と協力して10月から木星観測を開始していました。 カッシーニ探査機は、すでに何千枚もの木星の画像や木星とその周囲の環境の測定値を送ってきています。 カッシーニ探査機関連記事集 |