ロシア宇宙庁のマネージャーは、ミール宇宙ステーションを廃棄する時にコントロールを失って再突入する恐れが発生した場合に備えた2人の緊急乗組員の構成を突然変更しました。
NASAの情報筋によると、緊急時にミールへ飛行する訓練を続けてきた船長のSalizhan Sharipovとフライト・エンジニアのPavel Vinogradovが交代させられたということです。 イタル・タス通信は、新しい乗組員には、船長にベテラン飛行士のGennady Padalkaを、フライト・エンジニアにはNASAのスペースシャトルにも搭乗した経験があるベテラン飛行士のNikolai Budarinが起用されたと伝えています。 NASAの情報筋は、乗組員の交代は確認していますが、その理由は分かっていません。 しかし、Budarinは、昨年ロシアの指令船モジュール「ズベズダ」が国際宇宙ステーションにドッキングできなかった場合にステーションへ緊急飛行する訓練を受けてきました。しかし、ズベズダと国際宇宙ステーションは正常にドッキングし、緊急飛行は必要ありませんでした。 PadalkaとBudarinは、これまでの訓練で、ミールへの緊急飛行へも対応できるように思えます。 現在ミールへの有人飛行は予定されていません。ロシアは、1月10日ごろにミールへ無人プログレス補給船を打ち上げる予定です。 プログレス補給船は、2月28日ごろにコントロールされた再突入を行う前準備としてミールの軌道を少し上昇させるのに使われます。しかし、大きなトラブルが発生した場合は、緊急乗組員が必要になるかもしれません。 ロシアは、乗組員の交代理由を公式には発表していませんが、Sharipovはこの決定に困惑しているとイタル・タス通信に述べています。 「我々は、緊急事態に備えて6ヶ月以上訓練を積んできました。すべて問題はなかったのに、政府の委員会が乗組員交代を決めたのです。」と彼は通信社に語っています。 ミール宇宙ステーション関連記事 |