3日間の追跡の後、無人貨物船は今日ミール宇宙ステーションに無事到着しました。これが地球からミールへ向かった最後の宇宙船になりそうです。
プログレスM1-5貨物船は、ミールを軌道離脱させる為の燃料を積んでクバント・モジュールに午後2時34分(日本時間)にドッキングしました。 プログレスM1-5貨物船は、モジュールやソユーズ宇宙船やアメリカのスペースシャトルも含めると15年の歴史でミールへ向かった110回目の宇宙船となります。 ソユーズとプログレスは、複数回のドッキングを行っているので今日のドッキングは121回目となります。 ミールを軌道離脱させる作業に大きな問題が出なければ、ミールが大気圏へ突入して燃え尽きるまで、もうこれ以上ミールへ向かう宇宙船の予定はありません。ただし今でも、必要であれば軌道離脱作業を支援する緊急乗組員が待機しています。 伝えられるところによると、今日のドッキングが失敗した場合には緊急乗組員を乗せたソユーズTM宇宙船が2月10日に打ち上げられる予定でした。しかし、プログレスM1-5のステーションへのドッキングは成功したので有人ミッションはなさそうです。 もう1つ考えられるシナリオとしては、ステーションのフライト・コントロール・システムが故障して、ミールへ乗組員の搭乗が必要となることです。そうなれば、宇宙飛行士が、故障した装置を取り替えるか最後の制動燃焼を除く全ての操縦を行う可能性があります。 RKKエネルギア者の代表は、たとえ技術的に可能であったとしても最後の再突入の際にミールに乗組員が搭乗することはないと言っています。 予定では、プログレスM1-5が自身のエンジンを燃焼させてミールの軌道を徐々に下げ、最終制動操縦で軌道を離脱させることになっています。 それから、ステーションは大気圏に突入してその破片は燃えながら太平洋に落下します。 高層大気圏の状況により、ステーションは3月の初めから中旬の間のいずれかの日に再突入します。 現在およそ11年ごとに起こる太陽活動の極大期が、大気密度を大きく変動させています。この現象が、大気摩擦がミールなど低軌道の衛星を徐々により濃い大気の方へ下げて最終的には再突入させる予測を難しくしています。 |