|
日本の通信衛星会社B-SATは、7月にアリアンスペース社のアリアン5型ロケットの打ち上げ失敗で失われた衛星の代替となる別のTV放送衛星の製造と打ち上げに関してオービタル・サイエンス社と契約を結びました。
アリアン5型ロケットの上部ユニットは、酸化剤と燃料の不適当な混合により点火時に「燃焼不安定」を起こしました。その為に、推力レベルの低下と早期のエンジン停止が起こり、BSAT-2b衛星とヨーロッパのアルテミス衛星を使用不能の低軌道に投入しました。BSAT-2bは、自身で軌道を修正する燃料を積んでいない為に、当局は衛星は失われたと宣言しました。 関連記事 別ののBSAT-2衛星であるBSAT-2aは、3月に同じアリアン5型ロケットで打ち上げ成功して適切な軌道に投入されています。 それから、この衛星は引き渡されて、現在は正常に運用されています。 （注釈） BSAT-2a衛星は9月26日に衛星の制御機能が故障しました。それによりBSデジタル放送は数十分間停波しました。現在、BSデジタル放送はアナログBS放送の予備機であるBS-3n衛星を使って放送されています。 新しい衛星は、BSAT-2cと呼ばれますが実質的にはBSAT-2bと同一です。それは、BSAT-2aの予備機の役目をします。 この代替衛星は、その役目を果たす為に、東経110度のボルネオ島上空22,300マイルの静止軌道上に置かれます。 BSAT-2cの打ち上げは、2003年の第１四半期に予定されていますが、その 打上げシステムについてはまだ発表されていません。金銭的な契約についても詳細は明らかにされませんでした。 BSAT-2シリーズの衛星は、日本の家庭に現行のアナログTVよりも高画質でワイド画面フォーマットのデジタルテレビジョン番組を提供する中継能力を持っています。 日本の他のBSAT-2シリーズ衛星のように、BSAT-2cもオービタル・サイエンス社の「スター」設計プラットフォームに基づいています。 従来の大型通信衛星と違って、この衛星は重量3,000ポンド程で低価格です。 「BSAT-2計画は、我々独自の（静止軌道）衛星の能力を強調するものです。我々は、もう一度B-SATで仕事をして、手頃で信頼できる方法でテレビ・サービスを提供するシステムを届けたいと思っています。」とオービタル・サイエンス社の通信衛星部の部長のアリAtia博士は言っています。 このオービタル・サイエンス社との契約は、おりしもちょうど１週間前に、トーラスロケットの打ち上げ失敗でオービタル・サイエンス社のトーラスロケットと２つのオービタル社製の衛星が失われた直後に行われました。 |