故障してミッションを取り止められた衛星に搭載されていた小型宇宙望遠鏡が、我々の太陽以外で初めて星震の観測を達成させました。
広視野赤外探査機(WIRE)は、極超低温に冷却された口径30センチの赤外線撮像望遠鏡で宇宙をスキャンすることになっていました。 ところが、打ち上げ4日後の1999年3月8日に冷却水素が漏れてしまい失敗と宣言されていました。 しかし、この衛星を正しい方向に向けるのに使われるはずだった口径5センチ(2インチ)の望遠鏡などいくつかの装置はまだ作動しています。 すばらしいアイデア カリフォルニア大学の天文学者デリク・ブザシーは、このちっぽけな望遠鏡は実質上まだ重要な科学研究に使えるかもしれないと思いつきました。 地球では、このくらいの小さな望遠鏡は子供のおもちゃより多少ましな程度です。 星がきらめいて見えるのと同じ現象で、地球の大気は光を屈折させ歪ませます。 しかし、ガスや塵や汚染のない宇宙では、口径5センチの望遠鏡でも十分に見ることができます。 ブザージ博士はNASAにカメラが装着されているこの望遠鏡の使用について話をもちかけ、WIRE衛星で作業を行なった科学者達の支援のもとにデータの記録を開始する許可を得ました。 それからずっと彼は、大熊座の中で明るく輝く黄色い星つまり北斗七星のアルファー星の表面の振動を観測することが可能になっています。 太陽以外の冷えた通常の冷温星で、星震と呼ばれるものを観察したのは初めてのことです。 星震は、それらが天文学者に恒星の質量や年齢や化学成分を伝える ので重要です。 炎から蘇る不死鳥のように 「我々は、素晴らしいアイデアを我々にもたらしてくれ、こんなにちっぽけな望遠鏡の使い方が理解でき、ある程度の装置が灰の中から蘇ったことを本当に喜んでいます。」と、カリフォルニア工科大学に基礎を置くWIREプロジェクト・チームの科学オペレーション・センターのマネージャーのキャロル・ロンズデールが語りました。 ブザージ博士もまた、ハワイにある最大の地上望遠鏡、ケック・ツイン・反射望遠鏡の200分の1以下の口径のこの小さな望遠鏡の産物に満足しています。 彼は、自分はこの望遠鏡を少なくとも11月まで使えると言っています。 WIRE衛星関連記事 |