NASAのジェット推進研究所(JPL)は、最近打ち上げられた太陽を研究する為の衛星がいかなる科学観測もできなくなっている原因調査を開始しました。
800万ドルのキャビティー・ラジオメーター・放射密度モニター衛星(Acrimサット)は、12月20日にオービタル・サイエンス社のタウルス・ロケットに搭載されてカリフォルニアのバンデンバーグ空軍基地から打ち上げられてから太陽の観測ができずにいます。 カリフォルニア州パサデナのJPLによって管理されているこの地球軌道衛星は、地球の大気や海洋や陸地に降り注ぐ日光の量を観測して、科学者達が気象変化の長期予報を行うのに役立つはずでした。 しかし Acrimサットは、わずかですが科学観測には役立たないくらいにコースを外れているので、太陽の中心をまっすぐに向くことができないでいます。 「原因は本当に誰にもわかりません。我々は何が或いは誰が悪かったのかの誤り解析を行っています。今のところは、人為的ミスには見えませんが、どうなのかは分かりません」とJPLのプロジェクトマネージャーのロン・ゼノンがSPACE.comに話しました。 火曜日プロジェクトマネージャは、この問題に関す正式な内部再調査を開始しました。 可能性のある原因としては、不良ソフトウェア、打ち上げ時の過度の振動、太陽熱でなぜだか衛星のフレームが反ってしまったことなどがあげられています。 しかし、マネージャーはこの衛星がヴァージニア州McLeanのオービタル・サイエンス工場で組み立てられた時に、科学観測装置が正しく取り付けられたかどうかも調査しています。 「可能な限りのシナリオを検討しなければなりません。」とオービタル社のスポークスマンのバロンBeneskiは言っています。 一方、エンジニア達はAcrimサットを正しい位置にする為のソフトウェア・パッチをアップしていますが、今のところうまくいっていません。 この問題を複雑にしているのは、Acrimサットが1分間に12回回転して安定性を保ついわゆる「スピニング衛星」だということです。 地上管制官が、衛星を正しい位置に動かす為に燃焼させる推進ロケットもありません。 誰もが知る限り、NASAはこれまでコースがそれた「スピニング衛星」の向きを修正できたことはありません。 |