ディスカバリー号は、今日第100回目のシャトル・ミッションを開始する準備ができていましたが、ミッションは延期されました。
宇宙ステーション建造ミッションのシャトル・ディスカバリー号の打ち上げは、少なくとも一日場合によってはそれ以上延期されます。理由は、船の外部燃料タンクのボルトに疑わしい点が見つかったためです。 同時にエンジニア達は、ディスカバリー号の主推進システム内にある緩んだバルブについても調査しています。このバルブは上昇中に推進剤の流れによる振動を抑える役目をします。 専門技術員が、シャトルのエンジン・コンパートメント内に点検修理の為に入るかもしれません。 もしそうなれば、、打ち上げは早くとも火曜日まで延期されることになります。 一方で、第100回シャトル・ミッションの打ち上げは7日午前10時16分10秒(日本時間)に仮設定されました。しかしこれは、バルブ問題が解決されかつ、エンジニア達が問題の外部燃料タンクのボルトが宇宙で適切に働くと確信した場合によるものです。 もしそうならない時は、NASAのマネージャは、更なる解析のためにディスカバリー号を打ち上げることはできません。最悪のシナリオの場合は、シャトルをまたロケット組立ビルに戻して精密検査と修理を行うことになります。 「我々は、1日待ってエンジニア達に全ての問題のデータの洗い出しと正当性の評価を行う時間を与えるのが賢明だと考えます。言い換えれば、私達は熱望のあまりの'ゴー'を得るべきではありません。私達は、次ぎに進む前にこの潜在的問題を研究して完全に理解する機会を我々のスタッフに与えたいのです。」とケネディ宇宙センターのシャトル・オペレーションのディレクターのジェームズHalsellは言っています。 先月のシャトル・アトランティス号打ち上げの時に撮られたフィルムによる定期工学評価が行われた際に、エンジニア達が、外部燃料タンクが投棄された時に船尾側の2本の取り付けボルトが適切に作動していないことに気付きました。 タンクから出ている幅2.5インチ長さ14インチのボルトは、シャトルの腹に入りこんで、火薬入りナットで275,000ポンドのトルクで固定されています 外部タンク分離の際、ナットが起爆するとボルトはタンクの収納庫に瞬間的に引き戻されます。 先月のアトランティスの飛行の際、火薬ナットは正常に作動しましたが、右側のボルトが約2.25インチ出たままになっていました。 突き出たままのタンクのボルト(STS-106 アトランティス号より撮影) 左斜め上にボルトの影が写っている 心配されることは、シャトルがタンクに力を伝えてしまうくらいの時間、このハング・ボルトがシャトルの接合ポイント内に残ったままになることです。そうなればタンクがシャトルにぶつかる可能性があります。 「我々は理解していないし、(うまくいくと)信じるだけの理由もありません。我々はTS-92で問題を抱えたということです。」とHalsellは言っています。 外部タンク分離システムの基本設計を再検討し他のボルトも完全に引っ込まない可能性があるのかどうか決定する為に、エンジニアの3つのチームが類似した問題が過去に起こっていないかどうか調べています。 打ち上げ台で問題のボルトに対して何がなされるのか、必要があれば修理されるのかまだ分かっていません。 もしシャトルがロケット組立てビルに引き戻さなければならないならば、打ち上げは少なくとも10日から2週間延期されることになります。 次の国際宇宙ステーションの大きな課題は、ロシアのソユーズ・ロケットに搭乗して最初の常駐乗組員が10月30日に出発することです。 シャトルの飛行の間サポートしていたNASAのエンジニア達が、ソユーズ・ミッションの為にモスクワへ移動する為に、ディスカバリー号の着陸とソユーズの打ち上げの間には少なくとも2日が必要です。 NASAは、おそらくディスカバリー号をロケット組立てビルに引き戻して、点検と必要な修理を施すでしょう。それでも第100回目のシャトル・ミッションは近づく10月30日のソユーズの打ち上げを維持するのにまだ間に合います。 しかし、この時点では全て憶測に過ぎません。 |