ガリレオ探査機は、木星とその月の探査ミッションを今年末まで延長しましたが、それが一時的に木星系に立ち寄るカッシーニ無人探査機との共同科学探査の実施を可能にすると、NASAの科学者が今週発表しました。
2機の探査機で外惑星の精密観測を同時に実施する共同探査は、初めてのことです。 「この延泊旅行チケットは、我々に木星とその魅力的な月の研究を続けることを可能にしました。」とガリレオ・プロジェクトのマネージャー のジム・エリクソンが声明で述べました。 強力な磁場に焦点 ミッション・エンジニア達は、ガリレオをカッシーニと協力させて、2つの異なる位置から木星系とその磁場の同期観測を行う計画を立てています。 「1機の探査機を木星の磁場エンベロープの内側に配置して、もう1機はこのエンベロープを圧縮する強力な太陽風が観測できる外側に配置します。」とカッシーニ・プロジェクトの科学者デニスMatsonが声明で述べました。 「この2つの有利な位置から、我々は太陽風が木星周囲の磁気的特性を変化させる因果関係を調べることができます。」 土星へ向かっているカッシーニは、12月に木星の近くを飛行します。 カッシーニのエンジニアは、この探査機を土星の方へ投げ飛ばす為に木星の強い重力を利用します。 このランデブーの前に、ガリレオは5月と12月に木星の月ガニメデとフライバイを行います。 このフライバイは、太陽系最大の自然の衛星氷の月ガニメデの地史に関する手がかりとこれまでで最高の写真を提供するはずです。 ミッション後のガリレオの運命は謎 今年始めに2つの他の木星の月エウロペとイオのそばを飛行したガリレオは、予想よりもはるかに長い宇宙の危険に耐えてきました。 この探査機は、1997年に当初のミッションを完了させています。2年間の延長ミッションも6週間前に終了しました。 ガリレオ探査機は、設計仕様の3倍近くの放射線を耐えぬいてきました。 いまガリレオのエンジニア達は、そのミッション・フィナーレのためにこの探査機を木星かイオに衝突させるなどいろいろな選択を検討しています。 彼らは、最近氷の地殻の下に海が存在することを示唆する証拠が発見されたエウロペにガリレオが衝突することは避けたいようです。何故ならその液体環境の中には生命が住んでいるかもしれないからです。 ガリレオ探査機は、打ち上げ6年後の1995年に木星の軌道に入りました。一方、カッシーニ探査機は、1997年に打ち上げられ2004年に土星系に到着する予定です。 カリフォルニア州パサデナのジェット推進研究所が、NASAのためにガリレオとカッシーニのミッションを管理しています。 カッシーニ関連記事集 ガリレオ関連記事集 |